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Let bygones be bygones. 〜過去は過去〜
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牧田の紹介の、雑誌社の記者さんは良い人だった。
真剣に話を聞いてくれて、任せて欲しいと胸を叩いた。
で、出た記事は・・・
スクープ!
大手製紙会社の跡取り、同性愛を語る。
〜トイレットペーパーのように流せない、愛の行方〜
ヒィィッ!!
ワタルの隣で目に墨を入れられた俺は、さながら犯罪者のようだ。
いや、ある意味犯罪なのかも。
俺、鼻毛出てるし!!
全国誌で同性愛者であることを発表したワタルには、見合い話はもう来ない。
同時に、ワタルの隣にいる鼻毛野郎は、俺のことだと仲間内ではモロバレで、記事を読んだ舞澤からも爆笑された。
『アハハ!もう覚悟決める時なんじゃない?鼻毛男。』
うう〜っうー、うーーーーー!!!
「わ、ワタル!!」
「何?」
電話から漏れ聞こえていた舞澤の声に、ニヤニヤしながらワタルが返事をした。
「もう!ワタル、結婚しよう!!」
「ブハッ、喜んで。鼻毛くん。」
もう、絶対ハメられた!
なんなら鼻毛、書き足したんじゃねーか?!
絶対、ワタルの復讐だと思う。
両親へのシッペ返しと、俺の別れる宣言の復讐に違いない。
「トイレットペーパー作ってるくせに!!」
「過去はそうそう水には流せないもんだよ。」
もうーーーーーー!!!!
飄々と うそぶくワタルは、俺の大切な恋人だ。
そして、今日から婚約者になった。
「ブフッ!すげぇ、鼻毛。」
「絶対、脱毛する!!」
爆笑するワタルと電話越しの舞澤に、俺は憤然とそう宣言した。
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