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出会い
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「んん?やば!?買い物っ!今何時!?」
勢い良く飛び起きて時計を見る。昼はとっくに過ぎて14時半をさしていた。
しまった寝すぎた。二度寝は30分くらいにしようと思ったのに爆睡だ。雪は先程よりも小降りになっている。
「ぁ~……っ…………最悪。学校じゃなくて良かった。家賃の振り込みにも行かないといけなかったんだった。」
着替えるとマフラーを巻いて傘を手に取る。まずは振り込みからだと銀行に向かいパパッと済ませると昼飯をどうしようかと迷っていた。外食なんて滅多にしない。微妙な時間なのでコンビニのおにぎりでと飲食スペースでパリパリと食べた。美味しい。
昨日といい今日といいコンビニ飯を食べるなんて…。
「あれ?桐野?桐野じゃん。珍しくね?」
おにぎりを食べ終わった頃に後ろから声をかけられ振り向くとニコニコとした顔で向かい側に座って見つめられた。
何で座るの?え?あまり話したことないし気まずい。
「えっと……く、栗原くんだよね。」
「そうそう栗原だよ。同じクラスの。知ってくれてて嬉しいよ。学校以外で桐野に会えるとかめっちゃ奇跡だし。」
「そ、そうかな?結構買い物とかで出てるけど。」
(知ってるに決まってるじゃん。)
楽しそうに話しかけてくれるのは有難い。でも自分はちゃんと話せてるだろうか。嫌な思いをさせてるのではと身構えてしまう。
正直同じクラスの人に遊びに行こうなどよく誘われその度に断ってた。お金の理由もあるがそんなの話しても困らせるだけだ。
ーーーーーーー
「なぁなぁ桐野遊ぼーぜ。カラオケ行かね?」
「ごめん。用事あって……。」
「またそれかよ。お前付き合いわりぃーな。つまんねぇ。」
ごめん。そう心の中でもう一度謝った。友達と言える人には俺にはいない。勉強を教えてくれなど課題を見せてくれなど何度もあったが別に嫌な気はしない。ただそれだけ。利用されるならそれでもいい。
そんな俺を栗原は遠くから見ていたのも気づかなかった。
ーーーーーーーーーーー
「え、まじ?なかなか会えないんだけど桐野めっちゃ素早いとか?」
(何を言ってるんだ?)
「普通の早さだと思うけど……。栗原くんは何か用事があってコンビニに来たんじゃないの?」
そう。こんな俺なんかと話してて時間がもったいない。用事があるならそちらを優先してほしい。冷たく言えばいい。こんなところ誰かに見られて栗原くんが悪く言われたらそれは嫌だ。
「あ、そうだった!兄貴が用事でここに来てて忘れ物届けに来たんだった。なぁなぁまだ時間平気?」
「へ、いきだけど…。」
「じゃあここで待っててっ。兄貴のとこ行ってくるわ。」
なんだろうか?別に振り込みも終わったし買い物は24時間スーパーに行くので気にしない。課題見せてとか?でもテスト終わりで課題出てないし。勉強教えてとか?学校で教えればいいし。なんだろう……俺何かしたっけ?
ちゃんと謝ろう。
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