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本当の気持ち
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「ごめんごめん待たせた?なんか食わねぇ?甘いもの食べたい。」
「え、あ……えっと……。」
うーん、と考えているとガタンと前に座られビクッとし、その反応にクスクス笑われ恥ずかしい。甘いものが食べたいと言われ返事に困る。お金はあるのだが俺と一緒に食べるのだろうか?俺と?大丈夫かな。
「あ、もしかして甘いもの苦手?だったら」
「いや、好きですっ。いやあの……好き……だけど…………」
告白みたいになってしまって最後には声が小さくなり俯いてしまう。ん?と首をかしげながら見つめてくるので困った。言葉を考えなければ。俺なんかと……俺なんかと一緒にいたら
「俺と一緒にいて大丈夫?」
「え?」
あ、間違った?今の間違った?よく分からないのか更に首をかしげて考えさせてしまった。
もう嫌だ。消えたい。でも言わなければ。
「俺……学校でいいやつと思われてないしそんな俺と一緒にいたら栗原くんに変な噂広がったら嫌だし」
「は?なんで?俺が話したいから話しかけてんじゃん?つうか自分のことそんな風に思ってんの?」
(怒られた。だって本当のことだし。)
「ごめんなさい……」
「いや謝るなし。」
(また怒られた。帰りたい。もう買い物とかどうでもいい。逃げたい。)
「あー……いや怒ってるわけじゃなくて心配してんの。桐野優しいし。」
「へ?優しい?俺が?」
怒ってなかったのかとホッとしつつも次の言葉に驚いた。優しい。この俺が?どこでそう思った?
「もしかして覚えてない?前に女子が変なやつらに絡まれてんの助けたりとか迷子になった子供送ってあげたりとか勉強も教えてくれたり課題見せてくれたり……あとは」
「ちょ、ちょっと待って。勉強とか課題は分かるけど何で絡まれた女の子のこととか迷子の子供のこととか知ってるの?」
「え?噂になってたから。」
(噂?悪い噂じゃなくて?)
「噂…………。でもほっとけなかったし俺じゃなくてもみんなそうしてただろうし……。」
「簡単にできねーよ?絡まれてるやつ助けるとか特に。」
言葉が詰まる。分からない。優しいなんて初めて言われた。戸惑う俺に栗原くんは優しく笑ってポンポンと頭を撫でられビクッとしてしまった。
「桐野さ……自分のこと悪く思うのやめな?」
あぁ……
なんだろう…
泣きそうになった
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