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流されて
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「別に悪くなんて」
「無自覚か?ったく……」
「ごめ」
「謝るなっての。」
悪いことなんてないのに直ぐに謝る。そういや甘いもの好きだって言ったよなと思い立ち上がると適当にシュークリーム、プリン、モンブラン、紅茶の飲み物を買うと縮こまっている桐野のところに戻った。
「ほらよ。一緒に食おうぜ。お金はいらないから。紅茶もどーぞ。」
「え、いいの?ありがとう。シュークリーム好きなんだっ。」
お金……と申し訳なさそうに言われるがいらないとキッパリ言い甘いものを目の前にキラキラと目を輝かせているので本当に好きなんだなと小さく笑ってシュークリームを差し出した。
(可愛いな……………………いや、うん。)
「シュークリーム好きなの?桐野の好きなもの知れて嬉しいよ。」
「そ、そう?あ、栗原くんの好きなものって何?」
「俺は…………うーん。唐揚げとか。ハンバーグ、カレー、オムライス…」
「ふふ、いっぱいあるね。」
子供が好きなものばかりだと少し恥ずかしそうにしながら言うと初めて見た桐野の笑った顔にドキッとした。可愛い。男に可愛いとか……でも桐野は可愛い。狙ってるやつがいるのも知ってる。別に同性愛なんて偏見ないけど。
「栗原くん?どうしたの?大丈夫?」
「んあ?あぁ、大丈夫。桐野可愛いなって思ってただけ。」
「かかか可愛い!?な、なんで……俺可愛くないし。」
本当に可愛いと思っていたが冗談っぽく言うと真っ赤にしてモグモグとシュークリームを食べている。なにこの可愛い反応。真っ赤じゃん。
口端にクリーム付いてるし。
「桐野クリーム付いてる。ほら、ここに。反対だよ。そうそこ。」
「んえ?あ、ごめん。ありがとう。」
自分の唇をトントンと指差すと反対を拭いていてクスクス笑いながら反対だと言うとまた顔を赤らめて拭いている。
「く、栗原くんは食べないの?甘いもの食べたいって言ってたのに。」
「んー。桐野にあげる。俺は紅茶で満足した。」
「え、じゃあ払うよっ。いくらだった?」
さっきいらないって言ったのにそうやって気にしちゃうんだな。もう癖になってるのかこういう性格なのか何か危うい感じも出てるし守りたくなる。
「きーりーのーくーん。いらないって言ったじゃん?ほらそんな顔するなよ。」
「でも……やっぱ申し訳ないし。」
しゅん、と落ち込む相手に困ったなと笑うと頭を撫でて、どうしようかと考えれば相手が買い物によく出てることを思い出し撫でる手をやめて。この撫でたくなるのも俺自身でもびっくりだ。桐野は受け入れてくれてるけど。
「桐野の明日の予定は?」
「ないけど?」
「料理できる?」
「人並みには、たぶん。」
「じゃあ今から俺の家に来てご飯作って?」
「………………え?」
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