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桐野って……
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「ごめんごめん待たせた?なんか食わねぇ?甘いもの食べたい。」
「え、あ……えっと……。」
待たせてしまったと慌てて座ると桐野がビクッとしこんな反応もするのかと笑ってしまった。15時過ぎ。おやつの時間だと思い甘いものが食べたくなったが返事が曖昧で甘いものが嫌いだったのかと考えずに言ってしまったのを後悔した。
「いや、好きですっ。いやあの……好き……だけど…………」
びっくりした。こんな大きな声出せんの?
嬉しくなりそれなら待たせたお詫びと思い自分のオススメのデザートを奢ろうと思ったがまだなんか言いたそうな桐野に不思議に思った。
「俺と一緒にいて大丈夫?」
「え?」
意味が分からない。どういうことだ?
桐野は不安なのか申し訳なさそうな顔をしている。ますます意味が分からない。もしかして時間を気にしているのか?でも全然平気だ。俺から声かけたし。
「俺……学校でいいやつと思われてないしそんな俺と一緒にいたら栗原くんに変な噂広がったら嫌だし」
(は?なんで?そんなことない。)
「は?なんで?俺が話したいから話しかけてんじゃん?つうか自分のことそんな風に思ってんの?」
まさかこんなこと言われるとは。
ちょっとイラッとしてしまって怒ったような口調になってしまった。
「ごめんなさい……」
「いや謝るなし。」
怒られてると思っているのかビクビクしている桐野に自分を落ち着かせ優しく声をかけた。
そんなに怯えなくても……こんなやつだっけ?
「あー……いや怒ってるわけじゃなくて心配してんの。桐野優しいし。」
「へ?優しい?俺が?」
いやいや優しいだろ。俺聞いたぞ。絡まれてる女の子助けたの。この前スーパー行った時泣いてる子供に頭を撫でながら声かけてて何事かと思ったけど迷子の子供送ってあげてたの知ってるし。勉強も課題も嫌な顔せずに見せててあいつは優しい。優しすぎるくらいだ。
「もしかして覚えてない?前に女子が変なやつらに絡まれてんの助けたりとか迷子になった子供送ってあげたりとか勉強も教えてくれたり課題見せてくれたり……あとは」
「ちょ、ちょっと待って。勉強とか課題は分かるけど何で絡まれた女の子のこととか迷子の子供のこととか知ってんの?」
「え?噂になってたから。」
噂は直ぐに広まる。女子に迷子の子供のこと話したら直ぐに広まったからだ。
前に顔に怪我を作って来たことあったけど女の子庇って出来た怪我らしいし。まぁみんな喧嘩だ喧嘩だと距離を置かれてたが俺が訂正した。
でも何で喧嘩じゃないって言わねぇんだろ。黙ってたら余計に間違った情報広がるじゃん。
「噂…………。でもほっとけなかったし俺じゃなくてもみんなそうしてただろうし……。」
「簡単にできねーよ?絡まれてるやつ助けるとか特に。」
何でこんなネガティブ思考なんだ?
自分で自分をほめることなんてまぁないがこれは自慢してもいいことくらいだ。何で傷つくことばかり、さっきも俺と一緒にいて大丈夫なのかとか壁作ってるし。人のことばかり気にしすぎ。もっと自分のことも大事にしろよ。
「桐野さ……自分のこと悪く思うのやめな?」
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