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久しぶりの手料理
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「きーりーのー。お腹空いた。」
「ぅ……今から作るから待ってて。」
栗原くんってこんな人だったっけ?いつもかっこよくてしっかりしてるけど家ではこんななの?
コンビニで買ってたデザートを冷蔵庫に入れてもらい無駄に広いキッチンに材料を出していった。自分のところと大違いだ。
マフラーを解いて自分のカバンと一緒に床に置こうとすると取り上げられコートと一緒にハンガーにかけてくれた。カバンはリビングのソファの上だ。
「あ、包丁と箸とかはここに入ってる。調味料はここで鍋とかはここ。冷蔵庫に使えそうなのあったら使ってもいいから晩御飯よろしくっ。」
「あ、うん。分かった。栗原くん毎日何食べてるの?」
「コンビニ弁当。コンビニのパン。」
「…………コンビニ好きなんだね。」
なんというかお金持ちというのに着飾ってないし高級料理を食べてるわけでもないしみんなと変わらない生活だなと思った。部屋は広すぎるけど。栗原くんはソファに座ってパソコンを開いてなんか打ち込んでる。眼鏡とか貴重だ。かっこいい。
「あ…………これどうやって使うんだろう…。IHってやつだこれ。」
「ん?どうした?あぁこれスイッチ入れて回せばいいよ。調節もここ。呼んでくれればいいのに。」
「なんか真剣な顔してたから邪魔しちゃいけないかなって…ごめんなさい。」
呼びたいけどどうしようとキッチンでオロオロしてたら気づかれてこちらに来てくれた。謝るなって頭を撫でられまたパソコンに向かって打ち込みをしながら電話をしていた。高校生に見えないんだけど。
「よし、こんなものかな。唐揚げもなんとか出来たし。」
IHの火加減に苦戦しつつなんとか料理ができた。唐揚げ、オムライス、スープ、言ってなかったけどサラダも。味見したけどいつもより美味しく感じた。机に並べてもいいだろうかとキッチンからひょこっと顔を出して栗原くんの姿を確認するといなかったが後ろから声が聞こえ変な声が出てしまった。トイレだろうか?
「んーうまそうな香りっ。」
「ひゃっ!?」
「あぁごめんごめん。そんな驚かなくても。」
「気配消さないでよびっくりした。料理並べてもいい?」
「別に消してないよ。桐野が一生懸命に作ってるの見てたし気づかなかった?俺も運ぶの手伝うよ。」
「見てたの?」
「見てた。つまみ食いの瞬間も。」
全然気づかなかった。味見と言いつつつまみ食いしたの見られてたのかと恥ずかしかった。てっきりパソコンと向き合ってるのかと思ってたのに自分の反応を面白そうに笑ってるのを見てムッとしてしまった。
「味見だし。つまみ食いじゃないし。」
「可愛かったよ?」
「なっ!~~~っ。変なこと言う栗原くんには唐揚げあげない。」
「だめだめだめっ。食べるっ。ごめんってば。」
俺のどこが可愛いのか全然分からない。女の子には間違われることあるけど可愛さなんてない。仕草が可愛いのかな。だったらもっと男らしくしようと食べ始めると感想を待った。
「あ、の……味大丈夫?薄くない?」
「んあ?美味しすぎて言うの忘れてた。めっっっちゃうまい。桐野料理上手だな!」
「そっか。良かった。こうやって誰かと一緒に食べるの久しぶりだから……」
いつぶりだろうともぐもぐと食べていた。いつもは一人だから。一人が当たり前だと思っていたから。栗原くんが誘ってくれて嬉しいけど寂しさが勝ってしまうと黙々と食べていると栗原くんに頭を撫でられ驚いてしまった。
「桐野。今日泊まるよな?」
「ん…………ん?え?」
なんで?
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