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意地悪
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桐野が作ってくれた朝御飯はうまかった。そんで名前で呼んでくれた。強制だったけど呼んでくれて嬉しかった。もっと意地悪しようと思ったら耳まで真っ赤にして呼んでくれたからそんなに恥ずかしかったのかとその姿に満足して離れた。
なんか触れたくてたまらなくてずっとくっついていたかった。それなのに桐野は着替えようとしてもう帰る準備をしようとした。それが嫌でまた抱きしめた。逃げられないように。何でそんな直ぐに帰ろうとすんの?ここにいればいいじゃん。
「桐野抱き心地いいんだもん。」
「ぬいぐるみじゃないんだど?」
「ぬいぐるみみたいに可愛いじゃん。」
「………………ぬいぐるみはしゃべらないし動かない。」
「いーじゃん。なぁ……涼…。」
「ひゃっ!?いきなり耳元でしゃべらないでよっていうか名前っ」
「かわいー。」
ひゃ、って可愛い反応すんのな。乱れたらどんな声だすの?きっとめちゃくちゃ可愛いんだろうな。あー、柔らかくてめっちゃ抱き心地最高。堪能しているともぞもぞと動いて逃げようとしてる桐野に抱きしめるのを強めた。諦めたのか直ぐに大人しくなった。
「いつまでこのままなの?」
「ずっと…………。」
(まるで恋人同士だ。このまま……俺のになってよ。)
「帰らないといけないし。」
「やだ。」
「子供じゃないんだからっ。」
「やだ。」
「………………」
なんで?帰らなくてもいいじゃん。ここにいろよ。部屋空いてるしここに住めばいいじゃん。何でも必要なの揃えるし。そんなに俺から離れたいのかよ。帰りたいのかよ。なんかムカつく。
「くり、…………拓也くん離して……帰らないとっ」
「…………一人で寝れるの?」
「子供じゃないし今までだって一人だったしそのくらい平気だしっ。」
「昨日の夜みたいなことが起きても……?」
「……っ………………」
ほら、な。一人じゃない方がいい。
思い出したのか微かに体が震えているのを感じた。怖いんだろ?俺がそばにいるから。
ごめん。意地悪すぎるよな俺。
「帰したくない……。」
(お願い…………行くなよ…。)
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