アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
反省
-
あー落ち着く。さっきから涼が何か言ってるけど離すつもりはない。名前呼びも成功。やったぜ。兄貴のことも話したし後で兄貴にメールしておこう。今はこのまま。
「か……彼女が家に来るから」
は?え?彼女?涼に彼女?
頭に血がのぼった気がした。しかも家に来るとか。キスとかセックスとかやったの?デートも。誰なんだよそいつ。この目で見てやる。
「ぁー…………えっと……」
「誰?」
「拓也くん何か怖いっ。」
「教えろよ。」
イライラする。誰なんだよ。俺の知らない涼を知ってるなんてズルい。ムカつく。ムカつくムカつくムカつく。昨日の夜俺にしがみついて寝てたじゃん。そんな姿も彼女は何度も見たことあるのかよ。
「なぁ……誰なんだよ?」
「他校の……」
「他校?どこの?」
「なんでそんなっ。」
「言えよ!」
「……っ…………」
全然教えてくれない涼を俺は押し倒した。このまま犯してやろうか、閉じ込めて俺しか見えなくしてやろうかと。嫌われてもどう思われてもいいと思った。手首を掴む手に力が入る。もういい、このまま俺で汚してやる、そう思ったら涼が泣き出した。彼女なんていないって。嘘だったって。今までのイライラがサァッとなくなり怖がらせた罪悪感を持ちながら涼を優しく抱きしめていた。
「……ごめん。泣くなよ…………ごめん。」
暫くしてやっとのことで泣き止んでくれたが目が赤くなっていた。何やってんだ俺は。頭を撫でようとしたらビクッとし震えていた。嫌われちゃったかな……。守りたいやつを俺自身で怖がらせてしまった。
「涼……。ごめんな。怖がらせて。」
「ちがっ……俺が……俺が嘘ついたからっ。俺が悪いっ。」
どう考えても俺が悪いのに優しいなお前は。そういうやつだもんな。撫でようとする手を引っ込め頭を冷やそうとベランダに出ようと思ったが涼が服の裾を掴んで引き止めた。
「反省してくるから。」
「必要ないよ。」
「………………っ…」
「だめ……風邪引いちゃう…………」
こんな時まで心配してくれんの?胸がしめつけられ俺がやったことに後悔した。たとえ嘘だったとしてもあれはやるべきことではない。
「電話。電話してくるから。」
「……………分かった。」
携帯を持つとベランダに出た。流石に寒いが頭を冷やすには調度いい。チラッと中を見ればソファで大人しく座って待ってくれている。健気だな。
「俺嫌われたかも……。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 1075