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涼充電が満タンになりません
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「拓也くんってこういうことよくするの?」
「しない。涼だけ。抱き心地も最高。」
「………………そんなに俺ぬいぐるみっぽいかな。」
「俺専用のぬいぐるみ。」
「有料です。」
「いくらでも払う。」
「じょ、冗談だよっ。」
またスリスリしてくる。それくすぐったいんだけど好きにさせた。お昼ご飯何にしよう。サンドイッチかな。冷蔵庫の中を確認したいんだけど動けない。まだお昼まで時間あるし全然いいんだけど離してくれるかなこれ。
甘えてるみたいで可愛いな拓也くん。いつもかっこいい拓也くんからは想像できないな。そういや友達と言ったら前のテストどうだった?とか言うよね。何か話しかけないとこの静かな時間はつらい。そもそも俺たち友達なのか分からないけど…。
「拓也くん。そのさ……確認なんだけどさ…」
「んーーーー?」
「俺たちってその……友達…………かな?」
「………………」
「あ、あのっ俺が勝手にそう思ってたことだからそのっあのっっっ」
「もう友達じゃん。」
「そ、そっか。」
良かった。高校生になって初めての友達と言える人ができた。嬉しいな。もっと拓也くんのこと知りたい。
「拓也くんが初めての友達で嬉しいな」
「?……そうなの?」
「うん。俺クラスで一人が多いから。お弁当も一人で食べてるし。」
「じゃあ今度から一緒に食べようぜ。」
「え?いいの?女の子とかよく誘われてるの見るけど……」
いつも女子から誘われてるけど俺と一緒に食べてくれるなんて大丈夫かな。いつも一人の俺だからみんな驚くかもしれない。でも拓也くんとご飯食べれるなんて楽しいだろうな。
「いーの。俺が涼と食べたいんだからさ。」
「じゃあ……その…………よろしくお願いします。」
「ぷっ、なんで敬語なの?」
そんなこんなで一緒にお弁当を食べることが決まった。嬉しい。女子から睨まれそうだけど教室で食べるのはやめよう。危険すぎる。
「抱きしめてるの飽きない?」
「飽きない。」
ーーーーーーープルルルルッ
「ひゃ!?」
「ぷぷっ、電話だよびっくりしすぎ。」
「あ、じゃあその間にお昼ごは」
「だめ、まだいいから。」
立ち上がれば直ぐにつかまった。ぬいぐるみはお昼ご飯の準備がしたいんだけど。拓也くんは片手で俺を抱きしめたまま電話に出た。女の子の声がする。彼女?
「ごめん無理。大事なことしてるから忙しいんだよ。はいはいまたな。」
あれ。何かお誘いされてるみたいだけど断ったみたい。大事なこと、忙しい?
うーーーーん…………
「…………大事なこと?」
「充電。」
「充電?携帯?」
「涼充電。」
「…………俺?」
俺充電?分かんないんだけど。ぬいぐるみから何か電化製品にでもなった?
「もしもし……お昼ご飯の準備を……」
「もう少しだけ……」
結構な時間抱きしめられてるけど充電っていつまでだろう。うーん、と考えてると電話の音にびっくりしてしまって恥ずかしい。
「今充電何%?」
「1%」
俺不良品なんじゃ。1%とか全然溜まってないじゃん。面白いな拓也くん。でもそろそろ作らないと遅くなるんだけどなー……
「………………ご飯で増えない?」
「ご飯食べてまた涼充電していいならキッチンに行ってもいいよ。」
なるほどそうきたか。まぁそれでも自分はいいけど。頷いてから俺は解放されキッチンに向かった。冷蔵庫の中を見れば野菜と卵と昨日の残りのお肉がある。朝にパンを食べたからサンドイッチはやめてチキン南蛮にしようと思った。
(何作ってくれるんだろ。夕方に帰るのか。家まで送って涼宅を把握。よし。)
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