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恋のおはなし。
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こてん、と首をかしげて俺に聞いてきた。
何でそんなこと聞くの?やっぱ俺のこと好き?
とか都合良く考えてしまう。
「なんで?あ、俺のこと好きになっちゃった?」
「違うよ。」
バッサリ。そんな即答しなくてもいいじゃん泣いちゃう。都合良く考えた俺もバカだったとしゅん、と落ち込んだ。
「あ、あのねっ違うってその嫌いとかじゃないし……あの…………友達として……す、好き…だよ?」
うん。元気出た。友達として、って言葉を抜いたら完璧。落ち込んだ俺を見てアワアワしながら言ってくれて嬉しかった。
「まぁ好きな人って……うーん、いないとは言えないけど叶うか分からない恋って感じ。」
「何で?拓也くんかっこいいし頭もいいし優しいし他校の女の子からも人気でしょ?高校生雑誌のモデルもやってたこと知ってるよ?」
「そんなほめるなよ。それに俺はそんないいやつじゃない。モデルはたまたまインタビューされて写真撮られただけだし。」
「もし……もし俺が女の子だったら拓也くんに告白してたと思う。」
「……え?」
「あ、ごめんねっ気持ち悪いこと言って。でも拓也くんは凄くいい人だから……その好きな人?もきっと拓也くんのこと好きだと思う。」
やっぱり都合良く考えてもいいかな。女の子だったら、か…。俺は男の涼が好きなんだけど。でもまだ言えない。混乱させてしまうだろうし今の関係を壊したくない。
「気持ち悪くないよ。ありがとうな。」
「応援してるね!」
うーん、それはつらい。好きな人がお前だって言ったらどうする?俺から離れて行っちゃうのは嫌だ。
「涼は?好きな人いないの?」
「俺は……いないよ。」
何その間は。好きな人いたの?
まぁ恋愛くらいはするよな普通。悲しかったけど続けられる言葉に俺は驚いた。
「俺はね…好きな人は作らないって決めてるんだ。」
その顔は凄く悲しそうで泣きそうで今にも消えそうで俺の胸が痛んだ。
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