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お泊まり返し。
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なんだろう。あの言葉を聞いてから俺は何も言えずタイミング良く電話がかかり寝室に向かった。電話が終わってもリビングに戻れなかった。
「好きな人を作らないって……」
なんでだ?なんだろう。このままにしておいてはいけない気がする。踏み込むべきではないのは分かってる。でもあんな顔して言うからほっとけないだろ。
どうにかしなければ。寝室をうろうろしながら考えていると良いことを思いついたと思いきりリビングの扉を開けた。
「ななななに!?どうしたの!?」
勢いよく開いた扉に驚き近くのクッションを抱きしめて目をパチパチさせてる。笑いそうになったけど我慢してゆっくり近づき隣に座った。
「今日涼のとこ泊まっていい?」
「へ?え?ぇえ???」
「だめ?頼むよお願いっ。」
「い、いいけど狭いよ?ものすごーーーく狭いよ?」
どうしても知りたくて涼のそばにいたくてお泊まり許可をお願いした。涼から話してくれるまで待とうと思ったけど気になってしまう。過去を知りたい。
「全然大丈夫。狭くても平気。で、いいの?泊まっても。」
「う、うんいいけど。後悔しないでよね?」
「やった!」
許可を貰えてめちゃくちゃ喜んだ。夜のこともあって心配だったのでそばにいられる。少しでも心の余裕ができたら嬉しいな。
「じゃあ泊まる準備してくるわ。」
「え、もう?まだこんなに明るいのに。」
「一応夕方までとは聞いてたけど早めに行こうぜ。」
「う、うん。なんか遠足前の子供みたい。」
高校生なんだから子供だよーって言いながら寝室へと入るとテキパキと荷物をカバンに詰め込んだ。遠足とは比べ物にならないくらい楽しみだ。
「ねぇ、父さん、母さん……。俺にね…………友達が出来たよ。今日紹介するね。」
「涼?何か言った?」
「ううん。何でもない。」
荷物を詰め終わりリビングに戻ると窓の外に向かって何か言っていたのが聞こえた。聞き取れなかったけど無理には聞き返さなかった。
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