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もう帰るの?
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変なことしたら噛みつくから、と冗談だけどそう言うと拓也くんは抱きしめてくれるだけで何もしてこなかった。昼食も済ませてあっという間に時間が過ぎて夕方になっていた。今日は時間が過ぎるのが早く感じる。
「さて、と。寂しいけど帰るかな。」
「もう帰るの?」
「え?」
「あ、いやごめんなさいっ。もう暗くなるし帰らないといけないよね……」
急に寂しさが押し寄せ帰らないでほしいと思うが制服も置いてきてるし困らせてはいけないと我慢した。明日会えるんだからいいよね。
「家まで……いやあそこのコンビニまで一緒に行ってもいい?」
「じゃあコンビニまでな?家まで来たら帰したくなくなるからさ。」
「…………うん。着替えてくるねっ。」
ここで着替えてもいいけどどうしても拓也くんの前では恥ずかしくなってしまい浴室で着替えて忘れ物がないか確認してから玄関に向かった。
「おまたせっ。」
「ほらマフラー。あったかくしないとな。」
「ありがとう。行こっかっ。」
マフラーに驚きつつも嬉しそうにしながら玄関に向かい薄暗くなった外に向かいコンビニまで向かった。ハァ、と息が白くなり頬を赤く染める。もう目の前が目的地だ。嫌だな。
「あっという間に着いちゃったな。」
「うん……。拓也くんまた明日ね?」
「涼ちょっとこっち来て?」
「ん?うん。どうしたの?」
人通りがない路地裏に入るとぎゅっと抱きしめられびっくりするが自分も抱きしめ返した。明日会えるのに今別れるのがこんなに嫌だなんて。
「ん…………また明日な?」
「ん!?ん…………またね。」
顔をあげるとチュッと軽く口づけられ驚くも照れたように笑って受け入れた。離れると背中を見つめつつ自分も自宅に向かった。
「はぁ…………明日が待ち遠しいな…。」
「涼充電もっとしとけば良かった……。」
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『なぁあれ?あいつあの時のやつじゃね?』
『あ、ホントだ……。やっちゃう?』
『まぁまだ待てよ。』
『何かかっこいいやつと一緒にいたけど?』
『さぁ友達なんじゃね?』
何か企んでるだろう人達のことには気づかず涼は自宅に着いた。
この幸せな時間も数日後崩されることも知らずに……。
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