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勘違い
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深夜に目が覚めてしまいパニックはなかったが寂しさが強かった。ベッドが広く感じる。寝なきゃ起きれなくなる。暫くしてから眠りにつくと直ぐに朝を迎えた。
「ん……あ、さ…?」
ふわぁ、と欠伸をしながら起きると適当に弁当を作り制服に着替えて学校へ向かった。今日は天気がいい。
教室に入ると挨拶ということはせずに静かに自分の席に座った。拓也くんはまだ来てないみたい。いつも女子につかまってるからなー。
『『『拓也おはよーっ。』』』
「はよっ。」
『『『拓也くんおはよーっ。』』』
「おはよ。」
拓也くんだ。教室に入ると賑やかになった。女子にも男子にも囲まれ自分は近づけないが遠くから見れただけでも嬉しい。
「あ、涼おはよーーーーっ。」
「ぇえ!?お、おはよ?」
目が合うと挨拶をされ周りにいたみんなが驚きながら俺も戸惑いつつ挨拶を返した。大丈夫これ、みんな変だと思ってるよ?
『おいおい拓也、桐野に話しかけるとか勇気あるな?』
「なんで?俺ら仲良いよー。」
「ちょっと拓也くんっそんなこと言って大丈夫なの?」
「えー本当のことじゃん。」
何を言うのかと小声で怒りつつ拓也くんのおかげで自分の周りにも人が集まりアワアワし戸惑いを隠せないでいた。女子は後ろでコソコソ話してるし周りは男子に囲まれ縮こまっていた。
『ほら、桐野怖がってんじゃん。』
『なぁ桐野くん拓也怖いよねーっ。』
「俺怖くないよー。優しいじゃん?たぶん。」
『たぶんってなんだよたぶんって。』
なんて言ったらいいのか俺の周りで話が盛り上がってるんだけど困る!拓也くんのせいだよっ。もうどうしたらいいのっ。後ろにいる女子の視線が怖い!
『桐野話しかけても素っ気ないし何か壁作ってるっていうかー。』
『そうそう。課題見せてくれるのはめっちゃ助かるけど遊び誘っても来ねーし。』
「おいお前らこいつは素直じゃないだけでみんなのこと大事に思ってるんだぞ?」
『『『ヒュー、拓也かっこいー!』』』
「なぁ涼。ちゃんと言ってみ?大丈夫…みんな分かってくれる。」
「え?あ……えっと…………節約生活でなかなか遊びに行けないんだけど課題とか勉強とかで良かったら全然教えるから言ってね?話すこと下手だからお手柔らかに…………お、お願いします…。」
(((((可愛い……。)))))
『なんか桐野って思ってたのと違ったわ。』
『勉強ばかりかと思ったけど節約生活か。そりゃ遊びに行くのも難しいよなー。』
『一人暮らしなんだって?大変じゃーん。』
家族のことは言えなかったけど何かみんなから感じる絡みづらさがなくなった気がする。拓也くんのおかげで楽になった。
「はい、と言うことで涼は良いやつなのです。みんな覚えておくよーにっ。」
「た、拓也くん俺そんな良いやつじゃ」
『『『『『はーい』』』』』
みんな何でそんな簡単に受け入れちゃうのっ。分からないじゃん。俺勉強だけしかできないよっ。拓也くん恐るべし。そんな俺を笑ってるし後で怒る………それと……………お礼も言わなきゃ。
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