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嫉妬
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放課後になると拓也くんは部活に行くらしく自分も付いて行った。分かってたことだけど女子の集まりがすごい。拓也くんファンだろうな、と隅っこで見ていた。
『『『きゃー!拓也くんかっこいいー!』』』
『拓也くんタオル使って?』
『あ、ちょっと抜け駆けは許さないわよっ。はい拓也くん飲み物っ。』
「………………モテモテだな…。」
別にいいもん。俺は拓也くんと付き合ってるもん。キスとかしたもん。一緒に泊まったんだもん。じわじわと嫌な感情が込み上げ近づくことも出来ず外は薄暗くなり部活時間も終わりムスッとしたまま体育館を後にした。
「あ、涼いたいた!探したぞ?一緒に帰ろーぜ!」
「女の子と帰ればいいじゃん。タオルとか飲み物貰ってたじゃん。」
「何だよどうしたんだよ?あ、もしかして嫉妬?かわいーっ。」
誰もいない教室で待っているとジャージ姿の拓也くんが駆け寄ってきた。首にタオルかけてるし飲み物あるし。それ持って帰るんだ。
「べ、別に嫉妬じゃないしっ。」
「部活見に来てくれただろ?嬉しかった。」
「俺のこと気づいてたの?あんな隅っこにいたのに…。」
「直ぐに見つけた。女子に囲まれて近づけなかったけど。」
モヤモヤした感情がなくなりきゅん、とした嬉しい感情に変わった。教室を出て廊下を歩いていると途中で女子に睨まれつつ靴を履けば歩き出した。
「…………本当は少しだけ嫉妬した。」
「んー?なんて?」
「な、何でもないっ。」
あははっと拓也くんに笑われたけど嫌な感じはしなかった。聞こえてたくせにっ。恥ずかしかったけどこうやって一緒に帰れるのは嬉しい。
「じゃあまた明日な?」
「うん。またね。」
この幸せな時間もずっと続けばいいと…そう思ってたのに…………。
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