アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ストーカー?
-
拓也くんと別れてまっすぐ自宅に向かわずにスーパーに向かってた。
「お弁当箱買ってこないと。後醤油とマヨネーズ切らしてたんだよなー。」
お弁当箱のコーナーに入るとたくさんの種類があって困った。紺いろのチェック柄のお弁当箱にした。色違いも買おうと思いお揃いにしてみた。顔がにやけてしまう。箸や小さなカップを選んでいると背後からの声にビクッとした。
『みーっけ。桐野くんだっけ?』
『この前女の子庇ってたヒーローの桐野くんじゃん。』
「だ、誰……ですか?」
『やだなー。もう忘れたの?ほらほら絡まれてる女の子助けてたじゃん?絡んでたの俺らだよ?』
『あのあと警察に追われて大変だったんだぞー?』
『怪我大丈夫だった?』
確かに良く見れば見たことがある顔だ。怪我の心配なんて本当はしてないくせに今更なんなんだ。ていうか何で俺の名前知ってるの?
「すみません、忙し……」
『おい無視すんなよ。仲良くしよーぜ?』
『こいつ良く見たら可愛い顔してね?女みてーに小せぇし。』
『震えちゃってかーわいー。』
『あの時顔ちゃんと見えてなかったけどこんな可愛い顔してたんだなー?』
(あの時?女の子が絡まれてる時か。守るのに必死で背中向けてたからな。)
逃げようとしたら腕を掴まれた。この場所は店の中でも目立たない場所で周りに助けも呼べない。気持ち悪い。
『もっと早く声かけよーとしたら逃げられるし。』
(え?逃げた覚えはないんだけど)
『あともう少しだったのにコンビニに入られちゃなー。』
『そうそう。前も見かけたしここらへんに住んでんじゃね?』
(待って……確か前に誰か後ろに付けられてたのを思い出した。まさかこの人たち?)
「あ、の……離して…………痛いっ。」
『なぁ桐野くん。俺らと楽しいことしよーぜ?』
ギリギリと掴む手に力を入れられ痛みに顔を歪めた。笑う顔にゾクッと悪寒がした。怖い。でも逃げなきゃ。
『お客様どうされましたかー?』
『『『!?』』』
「!?」
『ちぇ、後少しだったのに。』
『助かったと思ったら大間違いだからな?』
『じゃあな桐野くん。また会おうぜ?』
『お客様?』
「あ、いえ何でもありません。電話してて……。」
なんとかその場をのりきった。携帯ないけど電話してたって言えば誤魔化せた。必要なものを買って早足で自宅に向かった。家の中に入れば玄関に座り込みカタカタと震える。
「はぁっはぁっ…………大丈夫。大丈夫だ。一人でなんとかできる。」
家も知られてるかもしれない。ストーカー?まさか……。
気を付けなきゃ……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 1075