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恐怖
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※暴力、流血表現があります。続きを読む方はお気をつけ下さい。
「じゃあ家で待ってるよ。」
「うん。何かあったら電話するねっ。」
この時俺は一緒に涼の家に行けば良かったんだ。
ーーーーーーー
「さむっ。早く行かないとっ。」
自宅に着くと私服に着替え少し大きめのカバンに携帯と着替えの服など必要なのを詰め込んで行き忘れ物がないか確認してから玄関に向かった。
「父さん、母さん今帰って来たばかりだけど行ってくるね!」
寒さでマフラーに顔を埋めて拓也くんの家へと向かっていた。すると見覚えのある人達が俺に向かって歩いてきた。逃げなきゃ、と思ったけど後ろにもいたらしく囲まれてしまった。
『きーりーのーくん。こんなとこで会うなんて偶然だな?』
(嘘だ。そこで俺のこと待ってたくせに。)
『この前の続きしよーぜ?』
「す、すみません待たせてる人がいるのでっ。」
『大人しくついてこいよ。』
『いいのかなぁ桐野くん。その待たせてる人俺らのとこにいるけど?』
「!?」
『どうする?来る?』
「行きます。」
『そう来なくっちゃな。』
何の疑いもしなかった。拓也くんが俺のせいでつかまってるのではと気が気でなかった。助けなければいけない。
「ここどこですか?拓也くんは?」
『たくや?だれそれ。あぁ、待たせてるやつのこと?ばーかいねぇよそんなやつ。』
「!?帰ります!離して!」
『うるせーんだよ!』
「ぅぐ……かはっ…………」
薄暗い倉庫に着きキョロキョロ確認するが仲間なのか二人が倉庫にいただけだった。拓也くんが見当たらない。どこだと聞けばそんなやつはいないと身の危険を感じ逃げようにも力強く手をつかまれ暴れた俺は思いっきりお腹を蹴られ吹っ飛んだ。
「ぐ…………何すんのっ。近寄らないで!」
拓也くん拓也くん、と震える手で慌ててカバンの中にあった携帯に手をかけ電話をかけた。
「もしもし拓也くんっ助け」
『おいおい駄目だろ~?いい子にしてろ、よ!』
「がっ……ぐ、ぇ…………けほっ、けほけほっ…」
乱暴に携帯を奪われグリグリとお腹を抉るように踏まれた。苦しい。痛い。怖い。
ーーーーーー
「涼おせーな……買い物行ってんのか?」
涼の家からそこまで遠くはないので心配になるが買い物にでも行ってるのかと思い深く考えなかった。突然電話が鳴ったので出てみると焦ったような涼の声が聞こえた。
「もしもし涼?」
ーーーーー『おいおい駄目だろ~?いい子にしてろ、よ!』
そこから楽しそうに聞こえた声と遠くから小さく苦しそうに呻く声が聞こえた。なんだこれ。フツフツと体の奥底から血が煮えたぎるような怒りの感情。もともとは俺の携帯だったやつを今持っているやつからGPSで探した。
「ここか…………」
ーーーーーーーー
『あーぁ。可愛い顔に傷つけちゃった。』
「ぅ……も、やめ……て…………こんなことしたって意味ない、よ…………。」
顔を殴られ唇が切れ血の味が広がり体中はズキズキと痛んだ。逃げようにも逃げられない。
『前も思ったけど可愛い顔してるなお前。』
『ホントに男かよ。』
「ゃっ……やだ!やめて!」
どこからかナイフを取り出し俺の服をビリビリ音を立てながら切り裂いた。少し刃が肌に当たり血が流れる感触がより一層恐怖を感じさせた。
助けて……っ…………殺されるっ……。
『はは!見ろよ乳首ピンクじゃん。』
『やべーこいつなら俺イケるわ。』
『………………』
『…………』
『気が変わった。』
『なぁ桐野くん。今からキモチイイコトしような?』
嫌だ。触らないで。助けて。拓也くん……っ。
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