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ごめんね
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ぐったりした涼を椅子に座らせ優しくお湯をかけてあげた。痛々しい色に変わった部分と何か刃物かで切られたような傷、擦りきれた肌。必死に抵抗したのが分かった。
綺麗になったのを確認すると大きなバスタオルに包んだ。小さく息をして未だに目を開けてくれない。
「ごめんな……。」
悔しそうに唇を噛み優しく頬を撫でた。目元が赤い。泣いたんだろうな。
「兄貴。手当て頼む。」
「手当てするから何があったか説明しろ。」
「数人の男に暴行、犯されそうになってた……いや犯されたのか…………詳しくは分からない。そいつらは俺がこらしめた。」
優しくソファに寝かせた。暖房も入っているので裸でも大丈夫なようにしてくれてたみたいだ。タオルを剥がすと痛々しい体が見えた。
「また随分と…………骨は折れてないな。打撲が酷い。お前は怪我してないな?」
「俺は大丈夫。」
「一応確認だが性暴力かの確認をする。いいか?目が覚めたら本人にも話してもらうぞ。」
「頼む。俺氷持ってくるよ。」
「とりあえず消毒しないとな。」
縫うほどの怪我はないのが救いだな。だが精神がどうかだ。手当てを任されるとテキパキと薬やら包帯やらを用意して胸元の傷に手をかけようとしたら目の前の少年が目を覚ました。
「目が覚めたか?今から手当てを」
「やっ!?だ、れ…………やだっ…………助けてっ……」
「落ち着け俺は」
「触らないで!なんで裸?ここどこ!?」
目を覚ました瞬間知らない男が見え飛び起き自分が裸だと気づけばタオルを手繰り寄せカタカタ震えながら体を隠していた。まずい、ちゃんと説明しないと傷が酷くなる。どうにかしないとと思っていると拓也が走って戻ってきた。
「涼!?落ち着け俺の兄貴だからっ。大丈夫だから。」
「ぁ…………お兄さ、ん?」
「初めまして。拓也の兄の栗原海斗(くりはら かいと)だ。驚かせて悪かったな?ここは俺の家で拓也が連れてきた。」
「ごめ、なさっ……。」
「謝ることはないよ。怖い思いをしたんだね。手当てをしたいんだがこっちに来てタオルを退けてくれるかい?」
「…………はい。」
大きな声がして慌てて向かえば涼が目を覚ましたらしく怯えていた。安心させるように声をかけてなんとか落ち着いて大人しく手当てを受けてくれてる。だいたい終わればふわふわな膝掛けを肩にかけてあげた。
「さて、と。これで終わり、と言いたいところだが…………困ったな。眠ってる間にやっておくべきだった。」
「………………?」
「手当ての前に聞きたいことがある。ツラいことかもしれないけど何があったか話してほしい。」
「…っ………………」
「涼…………話せそう?」
隣に行くと優しく頭を撫でて手を握ってくれた。思い出したのか体が震えてる。
「うん。話す……。」
「ゆっくりで大丈夫だよ。」
「殴られたり踏まれたり刃物で服を切られて………あの……最後まではされてません……指を入れられて………」
涼はあったことを泣きながら話してくれた。かなり前から目をつけられていたこと、ストーカーみたいなことをされてたこと、俺が人質になってるのではと騙されてついて行ったことを聞いたときはギリッと唇を噛んだ。そんな俺を兄貴はなだめてくれたけど。
「ありがとう話してくれて。」
「あの……た、拓也くんが助けてくれて…………」
「あぁ、弟は強いよ。俺もねっ。」
「…………危険な目に合わせてすみません。」
「全く君は自分の状況分かってるかい?弟は頑丈だから大丈夫だよ。」
涼が不安にならないように兄貴は明るく話してくれた。ここの空間は安心するだろう。もう大丈夫だ。こんな形で会わせることになるとはな。
「あ、あの…………名前……桐野涼です。裸ですみません。よろしくお願いします。」
「ふふ、いいよ。拓也から聞いてる。さて、君の大事なとこの手当てをしたいんだが……」
「兄貴それは俺がやる。」
「はいはい。そう言うと思った。じゃ、この薬塗ってあげて。」
「………………?」
まだ手当てが残ってるのかと涼は首をかしげた。お尻を出してと言うと真っ赤になり顔を横に振り嫌だと言われたけど仕方ないだろ。手当てしないと酷くなるんだぞ。
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