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帰る場所
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「お兄さんと拓也くん何話してるんだろ?」
テレビを見ていたが二人が気になってしまいテレビを消してじっと待ってた。俺のこと話してるのかな。怪我とか……。お付き合いのこととかな。どうしよう別れろとか言われたら。
そんなことを考えていると二人が戻ってきた。
「あれ?テレビ見てても良かったのに。」
「あ、いえ見てたんですけどこの時間ニュースばかりだったので……」
ちょっと誤魔化した。本当は二人が話してることが気になってテレビなんて見ていられない。
「りょーーーぅ。兄貴にいじめられたんだよっ。」
「え?ちょ…………どうしたの?」
「いじめてないんだが。あの話なかったことにするぞ。」
「すみませんっ冗談ですお兄様っ。」
「あの話?何があったの?」
タタタッと小走りに近づいて隣に座ると遠慮がちに抱きつかれた。ぐすんぐすんと泣き真似をしてるがお兄さんの言葉でシャキッと座って即謝ってるの見たら笑ってしまった。
「拓也から聞いたら?俺からでもいいけど。」
「…………何の話してたの?」
「あ、あのさ!あの…………さ……」
なになに?なんでそんな不安そうな顔してるの?やっぱり別れろって言われたの?俺がだめだめだから。頼りないから……。やだよ……。
我慢出来ずに俺はポロポロと涙がこぼれた。
「りょ……う…………な、なんで泣いてんの?どうした?どっか痛いのか?」
「別れたくない……。」
「え?なんで?なんでそうなった?別れないよ?」
「どうやら勘違いしてるみたいだな。」
「ふぇ……?勘違い……?」
涙を拭きながら聞こえた言葉にハテナを浮かべ涙が引っ込んだ。お付き合い反対のお話をしてたわけじゃないらしい。
「兄貴と話したことなんだけどさ。涼が良ければ俺と一緒に住まないか?どうかな?」
「手続きとかは俺がするよ。引っ越しとかも手伝うし。桐野くんも一人より拓也と一緒なら安心だろ?」
「え?ぇえ!?いいの?拓也くん……でも俺あの家の家賃払えそうにない…………。」
やっぱりそう言うと思ったとお兄さんと拓也くんに言われ首をかしげた。だって住むには家賃とか……家事はもちろんするけど。
「もともと俺一人で住んでて払ってるし気にしなくていいよ。」
「俺が提案したんだ。桐野くん一人だと心配だからさ。拓也とか心配で心配で電話じゃ足りないと思うよ。」
「………………よ、よろしくお願いします。」
「ふふ、決まりだね。来月会う予定のその時に引っ越そうか。」
「やった!涼と同棲っ。」
「それにしても別れろって話してると思って泣いちゃうなんて可愛いね。」
「すみませんっ勘違いしてしまって……あの俺は可愛くないです!ただバカなだけでその…………」
「「可愛いよ。」」
二人して声を揃えて言わなくてもいいじゃん。もじもじしながら言っても逆効果だったらしい。 お付き合いのこと許されてるってことでいいよね。それと拓也くんと一緒とか嬉しい。
えへへ。ずっと一緒だ。
(桐野くんにやけてるよー。可愛いけど。嬉しいなら良かったよ。)
(涼めちゃくちゃ可愛い。あんなことやこんなことがいつでもできるっ。)
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