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食べさせて
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「なんすか先輩。あははっそんなことしてないですよ。」
(先輩?)
おいでおいでと呼ばれた俺は今拓也くんの足の間に座って片手で抱きしめられていた。しーってされたし黙っておかなければ。
「来年卒業ですよね。働くんでしたっけ?」
(卒業ってことは三年生か……。)
「あ、大学っすか?俺はやっぱ親のとこで働きたいと思ってるんで。」
(そっか……お医者さんになるんだね。拓也くんの白衣姿きっと似合うし見てみたい。)
自分の将来はどうしようかと全く考えておらずもうすぐ高校二年生なので早めにでも決めておいた方がいいのかと思った。そもそも卒業したら働くつもりだった。ずっと一人で生きていくつもりだった。でも今は違う。この人のそばにいたい。
「はーい。じゃあまた。」
「………………?」
「もう喋っても大丈夫。」
「ふぅ、なんかいけないことしてるみたいでヒヤヒヤしたよ。」
「お疲れ様。アイス食べよっか。」
「あ、うん。アイスのこと忘れてた。」
「じゃあ俺だけ食べようかなー?」
「食べる食べるっ俺も食べたいっ。」
もう意地悪だな。電話のことに集中しててアイスのこと頭から抜けてたよ。危ない危ない。
楽しみにしてたんだもん。
「お、てっきりホールの形してると思ったら一つ一つのカップケーキみたいに飾られてるやつだ。」
「どんなの?わぁあっ可愛いね!」
「どれがいい?イチゴかバニラかチョコ。」
「イチゴ!わーいっイチゴ美味しそう!」
「じゃあ俺もイチゴにしよう。」
2つずつ入っているので喧嘩みたいにはならない。まぁでも拓也くんとはアイスの取り合いとかには絶対ならないと思うから大丈夫だよね。
「このアイスすっごい美味しい。お兄さんどこで買ったんだろう。今度聞いてみよーっと。」
「引っ越しの時に聞いてみれば?」
「あ、そうだね。電話かメールって思ったけどお仕事忙しそうだしそうしてみる。」
また変な物渡されたり言われたりしないか心配だけどこの前のコスプレ衣装は予想外だった。ちゃんと洗濯して保管してるしらしいけどまた着なきゃいけないのかな。
「拓也くん拓也くん。はいあーんっ。」
「…………ん、美味しい。」
「俺にもちょーだいっ。」
「はい、あーん。」
「んむ。ん…………えへへ美味しい。」
こういうのもいいよね。カップルってこんな感じだよね?凄く恥ずかしいけどこの前テレビでカップルがやってたから俺もやりたかったんだ。
(涼が可愛すぎてつらいです………特に下半身が。)
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