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拓也の過去から
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ちょっとは落ち着いたみたいで先程より表情は明るい。涼は自分で背負い込んで発散もしないしそんなんじゃ体もたないっての。
「話しても大丈夫?」
「うん。聞きたい。」
「ん。涼と付き合う前はそうだな……女の子取っ替え引っ替えしてた。勉強も部活もなんとかやってたけどストレスとか色々溜まってってホテルも良く行ってた。」
「…………」
「別に親子関係悪くもねぇし学校も上手くいってたけど何か疲れるし喧嘩とかしてたりとかもあって兄貴に良く手当てしてもらってた。ホテルとか喧嘩とかの繰り返し。馬鹿だよな俺。」
あー、また暗い顔してる。でもここでやめるわけにも行かない。余計に不安にさせるだけだ。
「そんで秋くらいかな。たまたまスーパーに飲み物買いに行ったら子供が泣いてて迷子かと思って近づこうとしたら涼が出てきてさ。あの涼が笑って安心させるように頭を撫でてるの見てびっくりしたんだ。」
「あの時の見てたの?気づかなかった。」
「まぁ隠れて見てたからな。そんで親に送り届けるとかしてその親子の背中を見てる目が悲しそうでさ……なーんか気になってさ。」
「あの時は……羨ましくて…………」
「ん。学校ではお前のこと暗いなーって課題とか見せたりとかまぁ優しいんだなとか思ってたけどいつも一人だし悲しそうな顔で外眺めてるし。」
そうだ…俺には友達みたいな話し相手はいなかったし課題を見せることしか相手にされなかった。最初の頃は遊びに誘われてたけど家のことがあって断ってたんだよな。
「そんで暫くしてお前が怪我して学校来たからびっくりした。あの大人しいあいつが喧嘩でもしたのかと信じられなくて周りは変に噂するし涼は何も言わねぇし。」
「俺は別に。何を言っても信じてくれないと思って言えなかったから。でも急にその噂がされなくなったんだよね。何でか分からないけど。」
「俺さ。気になって調べて他校の女の子から教えてもらったんだよ。その女の子の友達が不良に絡まれて俺と同じ制服の男の子が庇って助けてくれたって。あ、これ涼だって直ぐに分かったし女の子の友達とも話して顔も一致したから。」
「拓也くん他校の女の子とも仲良いんだ……。」
「それはバスケの試合で知り合ってさ…。まぁその……涼の怪我は喧嘩じゃねぇって俺がみんなに話したら直ぐにその噂が広がって」
「え!?拓也くんだったの?俺のこと話したの。」
「んーまぁそうなるかな。大したことしてねぇけど。」
「ううん。嬉しい。ありがとう。」
それからずっと見てたんだよな。なかなか話すタイミングもつかめなくて壁作ってる感じで話しかけられなくて。あの笑った顔をもう一度見たい。涼のことを知りたい。それから俺は女との関係も喧嘩もやめた。
たまたまコンビニで見かけてチャンスだと思ったんだ。
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