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「やだ。兄ちゃん。どっか行かないで」
「大学くらいは行かせろよ」
「なんで? 急に。家からだって通えるじゃん」
「………………」
「嫌だよ。俺のこと嫌い?」
「大好きだよ」
聰を中高一貫の私立に入れ、わざわざ寮生活をさせるようにしたのは父親で、兄弟二人で会える機会はなかった。会うとしても家族がいたり、そもそも僕が会いたくなかった。
遠く離れて。
連絡さえ、ろくに返さなかった。
極度に寂しがり屋な聰は、人に好かれるのが上手くて、それなりに学校生活も楽しんでいたらしい。
海外の大学に行かせたのも親の意向だった。
それで、ますます僕らは会わなくなった。
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