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団欒
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教えて教えてと一葉兄ちゃんに詰め寄っていると、お母さんが流れを止めに入る。
「まぁまぁ、そういう積もる話は食事のあとにしましょ。はい、それじゃあいただきます」
『いただきます!』
全員で食事前のあいさつ。こうやってみんなで食べるのは何年ぶりだろう。
一応年に1度こうして集まってはいるけど、やっぱりすごく長く感じる。
「もーらいっ」
「!ちょ、駆…返して」
向かいに座った駆がぼくの分のおかずを横取りする。
思わず抗議するけど、駆は当然応じてくれるはずがなかった。
「やだね!これ一番美味しいからさ」
「返してよっ!ぼくの分だよ、それ!」
「へーん!歩は二葉兄の料理くらい、毎日食ってるだろ!少しはいいじゃんか」
よくないよくない、全然よくない。
それはぼくのものなんだから。他の人には渡さない、たとえ駆が相手でも。
……って、ぼくは何を考えてるんだろう。
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