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おもち
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「返せ」
「やだね」
「返してったら!」
恨めしそうに睨みつけると、駆からもぎろりと睨み返される。
そんな調子で揉みあっていると、不意に横から頬をつねられた。
「こら、食事中にけんかすんなよ」
「でも……駆が…」
「そんなにムキにならなくていいだろ?ほら、こっち食べな」
呆れた顔で止めに入った二葉兄ちゃんが、自分の分の餅を手ずから食べさせてくれた。
市販のお餅だけど、わざわざ食べさせてくれると、余計においしく感じちゃう。
思わず顔を緩ませると、それを見ていた駆がふき出した。
「っくく……歩の顔、超おもしれぇ……」
平然とそういうことが言える駆に、もはや怒る気もなくしてしまう。
でも緩んだ自分の顔を想像したら、なんだかちょっと面白いかも、とも思った。
「……ふぅん…」
餅を頬張る自分を見て、駆が意味ありげにひとりごちるのには気付いていなかった。
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