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わがまま
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お父さんの仏壇が置いてある部屋と続きになってる隣の和室のふすまを、一葉兄ちゃんが慣れた手つきで軽々と外す。
その脇で頬を膨らませながら、敷き布団を丁寧に並べていく。
二葉兄ちゃんのばか。ぼくが二人きりで寝たいと思ったのを見抜いて、わざと言ったんだ。
思わず大声出すから、お母さんにまで驚かれたし。二葉兄ちゃんのばか。
同じ言葉を頭で繰り返しながら、気が付けばほとんど就寝準備が整っていた。
外したふすまを別の部屋へ移動すると言って一葉兄ちゃんが出ていくと、いつもの枕じゃ眠れないと駆も上の階へ上がって行った。お母さんは台所の掃除を軽くしてくると言い、広々とした部屋の中にはぼくと二葉兄ちゃんだけになった。しわを整える兄ちゃんの服の裾を掴む。
「……ばか」
「これでも一緒には寝れるだろ。家族は大事にすること」
「……兄ちゃんは大人だから、そう言えるんだ」
「子供だからっていちいちわがままが通るわけじゃない。今回のがそういうことだな」
ぼくの方を振り向かずにそんなことを言う兄ちゃんを見て、ぷつんと切れた。
構わない、どうせ他に部屋には人もいないし。
背中を向けている二葉兄ちゃんをどーんと突き飛ばして、その上に跨った。
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