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夜半
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◇ ◆ ◇
布団をかぶっている間にゆっくりと意識が遠のいて、気が付けば眠っていた。
目を覚ますと、すでに深夜みたいで、みんなの微かな寝息しか聞こえない。
「……兄ちゃん?」
もそもそと起き上がって隣を見ると、二葉兄ちゃんがこっちに顔を向けて寝ていた。
邪魔しちゃいけないと思いながらも、その肩を小さく揺すった。
「………ん…」
優しい寝顔が少し不機嫌そうに歪んだ後、ゆっくり兄ちゃんがまぶたを開いた。
「…あゆ……」
寝ぼけ眼でこっちを向いた兄ちゃんに、不覚にもきゅんときちゃう。くやしい。
ちょっとした仕返しに、兄ちゃんの頬をつねる。兄ちゃんが静かに体を起こした。
「どした?怖い夢でも見たか?」
「子供じゃないもん…あのさ、さっきは…」
「待った。…みんな寝てるけど聞こえたらいけないから、部屋出て」
二葉兄ちゃんがゆっくり布団を抜け出て廊下に出ると、ぼくも後についていった。
「…あ、ちょっとトイレ行きたい…かも」
廊下の端のトイレのドアを開けて中に入ったら、兄ちゃんが急にぼくを抱き寄せる。
兄ちゃんの顔を見上げたら、兄ちゃんは笑顔のまま後ろ手にドアを閉めた。…え?
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