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リダイヤル
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4件中、メッセージが残っているのは最後の一件だった。
再生ボタンを押して、耳元に意識を傾ける。
『……先生。留守電、聞いたらお返事ください』
余りにも自信のない声。不安を押し殺してるのが一発で分かる。
悪いことしたな…。すぐ電話するか。
リダイヤルボタンを一度押して、携帯を耳に当てた。
無機質な着信音は、コンマ一秒聞こえたかどうかという早さで途切れた。
微かな呼吸の音がしばらく聞こえて、かぼそい声が聞こえる。
『…この電話番号は、先生には対応しておりません』
「何馬鹿なこと言ってんだよ。…悪かった、電話、気が付かなくて」
『………怒ってない?』
「あぁ、怒るどころか申し訳ないと思ってるよ。ごめんな、伊織」
『せんせぇぇ…』
電話越しの声が、途端に震え出す。
そんないじらしい様子に、やっぱりちょっとの後ろめたさを覚えた。
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