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かくしごと
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…?何やってるんだ?
歩は申し訳なさそうに俯いてるし、兄貴は携帯に向かって慌てながら何か喋っている。何があった。
しばらく様子を見ていたら、歩は玄関の方へと逃げて行った。
「…」
窓を閉め、玄関に向かう。
あの様子じゃ何かを兄貴に口止めされてる。それが何か確かめないと気が済まない。
歩が俺に隠し事をする、なんて絶対に許しはしない。
何食わぬ顔で、偶然を装って玄関の引き戸を開けた。
「歩?」
「っ、あ…兄ちゃん」
ゴミ袋を両手にぶら下げた歩が一瞬びくっとして振り返る。
黙って歩み寄り、左手からゴミ袋を取る。
「ごみ出し?」
「うん、お母さんに頼まれたの」
ふたりで並んで、収集場まで歩く。
歩の顔をちらっと見たら、一度目を合わせた後遠慮がちに目を逸らされた。
ばれてないよね?という表情が分かりやすくて可愛い。
「あ、ちょうど収集車きてる」
「ギリギリだな」
収集場に着くと、同じくらいのタイミングでやってきた収集車がごみを集めているところだった。ごみを預けて、家への道を戻る。
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