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ばれちゃいました
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歩がふと、自分の手を弱く握ってきた。
歩の方を見ると、俯いたままだが少し頬に赤みが差している。
昨日あれだけいたぶられても、歩は自分を好きでいてくれる。
そうなるように、自分が加減をしているからだけど。
そんな気持ちを顔に出さずに、ゆっくり口を開いた。
「歩」
「なぁに?」
「さっき兄貴と何か話してたろ?何かあったか」
「!」
何で知ってるの、という顔。やっぱり分かりやすい。
答えに詰まる歩の手を強く握り返して、優しく誘導する。
「大丈夫、秘密にされてるなら、俺もちゃんと守るから。それでもどうしても…教えてはくれないかな」
「うっ……あの…」
歩がどうしよう、という顔をする。一度こうなったら、こっちの調子に乗せられる。
愚直といっていいくらい素直なところも、尚更可愛い。
「…あの…ね、さっきのはね…ちょっと、見ちゃったの」
「見ちゃった?」
自分の目論見通り、歩が隠していたことを打ち明け始めた。
そう、それでいいんだよ、可愛い歩。
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