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元はと言えば
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「あれ、カズ兄何やってんの?」
やばい、元凶が来た。
適当に理由付けて追っ払いたいけど、まぁ大丈夫だろ…。
「暇だから、親父に久々に挨拶しようと思ってな」
「ふぅん」
背中に乗っかった駆が、体重をかけてもたれかかってくる。
くそ、歩なら別になんてことないのに。
声だけなら全く同じだからその可能性は無きにしも非ずだが、双子の内で俺のことをカズ兄と呼んでくるのは駆の方だ。
「父さんの顔っていっつもこんなだったよなー」
「それでもこれ、すごい嬉しそうな顔なんだと」
「えぇ~これのどこが?」
俺にもどこが嬉しそうなのか分からん。でも母さんが言うなら間違いない。
駆がだるそうに体重を預けてくるのが少々重たい。おまけに近い。
「さぁな、母さんがそう言ってた」
「へぇ…」
少し興味を持ったように呟く駆の口が、耳元に寄り添っている。
あー…もし、もしこれで耳元で好きだとか言われたら陥落する。
今年もなるたけ接触は避けてきたのに、運がないな…。
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