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笑顔
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「知ってるか駆、親父が1回だけ笑ったっての」
「まじ?そんなことあったんだ」
まぁ駆が生まれる前だけどさ。
「なんでも、俺が生まれた時、満面の笑みだったらしいが」
「はぁ!?んだよそれ、ずっりぃ!二葉兄とか俺達の時は?」
「二葉が生まれた時は3歳だったからあんまり覚えてないけど、お前らの時は笑ってなかったなぁ」
「うわ、それショック」
駆がむくれる。まぁ自分の生まれた瞬間なのに笑わない親ってのはいないことはなくとも少ないだろう。
不意に、むくれた駆の頬と自分の頬がくっついた。
「あ、ごめんカズ兄」
「おう」
うわ、柔らかすぎる。餅みたい。
もっと長時間密着してたらちょっとヤバかったけど、すぐに離れたのがまだ幸いだった。
伊織はスキンシップとかは積極的じゃないから意識してなかったが、当の本人からこんなに近付いてきたらやばい。
「駆、ちょっと太ったんじゃねえか?重いぞ」
「うっそだろ、そんなに?」
駆が一旦離れて、訝しげに自分のお腹をまじまじと眺める。
ちょっと驚いて焦る表情もたまらない。
…待て、忘れろ。弟の挙動にいちいち心乱される程変態じゃない。そういうのが似合う年でもない。大体、こういう事態を避けるために伊織と付き合ってるっていうのに。
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