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『先生、近いんだけど。邪魔』
『ねー先生、学食の新メニュー出たの、知ってた?』
『せんせ……っ、どっか行っちゃ、やだ…よぉ…』
急に走馬灯みたいに伊織の顔が浮かんでは消える。
あ、やばい胃が痛い。まだ死ねない。
俺は案外ストレスに弱いということを最近知った。なんで教師なんかやってるんだろう。まぁやってなきゃ伊織に出会うこともなかったんだけど。
「なーカズ兄、俺って父さんと母さんどっちに似てんのかな」
振り向いたら至近距離に駆の顔があって、心臓止まるかと思った。
ていうかもうさっきの話題には興味を失くしているらしい。小学生じゃあるまいし。
半ば諦めて駆の顔をまじまじと見た。
基本的なパーツは歩と全く共通で、黒ではないが色の濃いややくせのある茶髪、明るめの丸っこい瞳で輪郭も柔らかい。目つきは歩の方が幾分おとなしめで人懐っこそうな感じ、駆は目尻の角度が凛とした雰囲気に見える。
「ん~~…総合的に見て2人とも母さん似なんだけど、駆はどっちかっていうと親父に似てるかな」
「まじ?どの辺が?」
駆の顔がもっと近づく。お前襲われたいの?
気持ちを掻き乱されるたびにまたしても伊織への罪悪感が湧く。ああああもう。
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