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長男と次男
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「あれ、一葉兄ちゃんだ。何してるの?」
「おっ、歩、二葉」
「げぇっ、歩じゃん!やだやだ、俺ゲームしよっと」
ちょうど歩と二葉が、連れだって部屋に入って来た。
歩の顔を見るなり、駆は2階の自室に引っ込もうと部屋を飛び出した。それを見た歩は実に不機嫌そうだった。
「…なんだよ、駆のやつぅ」
「駆はいつもああだろ、気にすることないよ」
すねた歩をあやす二葉を見て、随分変わったな…と思った。
昔から成績もよかったし運動も得意だった。素行が特に悪かったわけでもないけど、ちょっと前の二葉からはあんまり想像できない姿だった。
――二葉のことはさておき、駆に無自覚に接近されるという責め苦から解放されたことには心の中で礼を言おう。
「駆も双子が久しぶりに再会して、気恥ずかしかったりするんじゃねーの」
「……そうならいいけどさ」
歩の不機嫌そうな顔が駆と微妙に被る。一瞬ぎくりとしたが、二葉が頭を撫でているうちに、いつもの人懐っこい顔つきに戻った。
こいつら、本当に仲良いだけ…だよな。自分と伊織のことを思い返すと、つい邪推せずにはいられない。
「それで、何してたんだ?」
「あぁ、里帰りしたから親父にご挨拶だよ」
遺影相手にだけの、込み入った話も少々。
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