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次男と三男
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◇ ◆ ◇
そういえば、いつからこの関係は続いているんだったか。
始まりはあまり記憶にないって言ったら、歩に怒られるかな。
『――兄ちゃん?』
心配そうに覗き込む、まだ幼い歩の顔を思い出す。
今もまだ幼いままなところがいくらかあるけど、それには触れないであげるのが、きっと「優しさ」だと思う。
『本当にごめんね。なんていうか、さ…二葉くんには私、もう付いてけない』
中学の後半から高校の間、一体何人の女子と付き合ったか、数えるのもうんざりするくらい沢山関わってきた。
別れる理由はいつも同じ、自分について行けないから。
中学の内はそんなの気にしたことはなかったけど、高校2年くらいになると自分の何が女子に敬遠されているのかひどく気になり始めた。
原因を探るには自分でなんとかするしかない。
そうは思ったものの、分からず四苦八苦している内に、自分は大学生になり、慌ただしい勉学の生活を送るさなか、父さんが亡くなった。
母さんや兄貴が気丈に振る舞って、泣きじゃくる双子を慰めている間、頭の中は父さんの死と自分のことでぐちゃぐちゃだった。
あっという間に葬儀を終えた後、部屋の一角に置かれた小さなお骨を抱いて、ふと呟いた。
『ねぇ……父さんは、俺の何がいけないか、知ってたかな?』
勿論骨は応えない。
諦めてお骨を戻した時、傍らで泣き疲れて眠っていた歩にふと目をやった。
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