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近況
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◇ ◆ ◇
「そういえば、最近仕事や学校はどうなの?ちゃんとやってる?」
お昼の後で、お母さんがぼくらの近況を尋ねてくる。
一葉兄ちゃんがお茶を飲み干してから喋りだした。
「うちはゴタゴタしてっけど、授業は真面目に聞いてくれる子が多くて助かるよ。上級生は俺んとこの教科が進学に要るってことも少ないから、幾分ゆるいかな」
「カズ兄の担当教科ってなんだっけ。物理?」
「生物だよ。同じ理科でも大違い」
そういえばぼく、生物は苦手だった。生々しいのが嫌でちゃんと頭に入ってこないから、いつもテストは散々。
でも一葉兄ちゃんには黙っとこう。
「年の離れた弟妹を相手にしてる感覚があるんだよな」
「そうねぇ、歩や駆と同年代よね」
ちらりと一葉兄ちゃんと目が合った。
もしも一葉兄ちゃんがぼくの学校へ異動してきて、教わることになったらどんな感じだろうと思ったけど、あまりイメージ出来なかった。
「二葉と歩は?喧嘩したり、困ったことはない?」
「特にないよ。たまに歩が体調崩したりするけど、普段はすごい元気だから」
……そのたまに体調崩す時って、朝までしちゃう時なんだけど。
ぐったりしてても学校は休ませてくれないくせに、やだって言ってもやめてくれなかったりするし…。
なんか思い出したら、顔上げてられなくなってきた。
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