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ストップ
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「はい、そこまでー。仲良しでなによりだけど、その辺にしときなね」
「はぁい」
「ちぇっ」
二葉兄ちゃんが止めに入って、駆は舌打ちしながらぼくから離れた。
良かった…あのままだとずっと脇腹責めに遭ってたよ…。
「ふたりが喧嘩したり遊んだりしてるのを見るのもなんだか久しぶりねぇ…」
お母さんの懐かしむ様子を見て、駆をちらっと見る。
取っ組み合いの喧嘩をしたことも昔は何回かあったような気がする。小さい頃におもちゃの取り合いで、程度だったけど。
「……あら、そういえばまだお年玉を渡してなかったわね」
「えっ、そんな…いいよ、ちょっとで」
お母さんが部屋の隅にあった自分の鞄から可愛らしい柄のぽち袋を取り出す。手渡された袋にはそれほど厚みはなかったけど、なんだかあったかい気持ちになった。封を切って覗くと、1万円札のインクの匂いが微かにした。
「……ありがと、お母さん!」
「母さん、歩の分俺より多くない?不公平じゃん」
「何言ってんの、ちゃんと同じ額よ。それにもし多かったとしても、歩は慣れないところで頑張ってるんだから、少しくらいは我慢しなさい」
お母さんにたしなめられて、駆はふくれっ面になりながら上の階に上がって行った。
駆を放っておいて、しばらく談笑しながら過ごしていたものの、なんとなく駆が気になって、トイレに行くついでに、2階に上がって、駆の部屋のドアをノックした。
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