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右の頬を張られたら
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「いっ、てえ……」
じんじんと痛む頬を押さえて振り返ると、わなわなと体を震わせ目に涙を湛えた歩が俺を睨みつけていた。
うん、当たり前だよな…俺なら平手じゃなくてグーで殴り倒す。
「駆……なんかっ、……なんかぁ…」
精一杯罵倒しようとしたっぽいけど、次の言葉を言う前に涙が零れて、そのまま啜り泣き始めた。
泣かせた本人が慰めても意味ないし、どうすっかな…。
「はぁ……泣いてんじゃねーよ、面倒臭い」
「なんっ…誰が…!っひぐ、こんな……ぅ…うぇぇぇ…」
「よく言うよ、男にキスされて勃ってたのはお前だろ」
なんで俺は歩を煽ってんだ。泣かせるだけなのは分かってるのに…。
これじゃただの最低な男じゃん。
「…分かっただろ」
「何がっ…うっく、わか、なぃ…」
「こんなことされて、まだ分かんねぇの?」
歩の鈍感さには苛立って仕方がない。
喉まで出掛かった言葉がつかえる。まだ、まだだ。
「だから、何がっ…」
「俺がお前をそういう目で見てたってことをだよ!」
「………ふぇ…」
歩がぽかんと口を開ける。
俺の言葉を何度も反芻してようやくその意味を理解した瞬間、今度は左頬を張られた。
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