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今夜、ここで
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◇ ◆ ◇
『歩が二葉兄を好きなのに負けないくらい、俺は歩が好きだから』
『帰る前に、もっとちゃんと話がしたい。このことを誰にも――二葉兄にも知られたくないなら、今夜この部屋に来いよ』
どうしよう。
今すぐ泣きついて家に帰りたい。
あんなことされて、あんな目に遭って、また駆と顔を突き合わせるなんて耐えられない。でもこれを拒むことはつまり、駆にされたことが二葉兄ちゃんに知られることと同じになる。
そんなの絶対嫌だ。
「歩、大丈夫か?」
「……ん…」
「顔色も良くないし、風邪でもひいたかな…?」
「ううん…眠たくって…」
二葉兄ちゃんが話しかけてくる。精一杯の嘘がばれないように、俯いてだるそうに欠伸をしてみた。
不思議そうな顔をされたけど、それ以上は詮索してこなかった。
でも、もし問い詰められて答えてしまったら、そっちの方が楽かもしれない。
駆は部屋を出て以降、今までと変わんない態度で接してくる。
あそこまでするほど、追い詰められてたの?
今までにも増して、駆のことがわからない。
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