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急にふたりの声が小さくなって、よく聞き取れなくなる。
物音もほとんどしないということは、座るか何かしながら喋っているのか。
「………れよ」
「なん……そうだった…ら」
「……それ、憐れんでるつもり?」
ばふん、とベッドに何かの体重がかかる音がした。壁が薄いから家具の動く音は聞こえやすい。
「……抱いたら……駆………はすむの?」
「…むわけ……」
抱いたら?
さっきから何の話をしてるんだ。
ベッドのスプリングがきしむ音で、声が聞こえづらい。なーんとなく当たって欲しくない予感が浮かぶ。
「…………どうしたいの?」
歩の声のあとから、鼻を啜る音。
…駆が泣いてる?まさか歩が駆を泣かすなんて、あまり想像できない。
意識をドアの向こうに集中させていたら、駆の嗚咽の混じった声がはっきり聞こえた。
「…好きになってほしいけどさ…無理じゃんか。だったら抱いちまえばすっきりするかと思ったけど……っぱ…きに………なきゃ、そんな…理」
好き?抱いたら?
…ひょっとして駆が好きなのって、歩?
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