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ティッシュ
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いやいや待て待て、自分が男と付き合ってるからとそういう思考になるのは良くない。
失恋か何かした駆が、歩に八つ当たりしたとか、もうちょっとマシな可能性があるだろ…。これはこれでひどいが。
鼻を啜る音が増える。歩まで泣いてるのか?
「歩はさ……に、絆され…いのが…ぃとこだと思う」
「…ん、…めんね。……って、早い者勝ち……から…」
ふたりしてすんすんと啜り泣く声。
…なんか、このままそっとしといた方がいいような気さえしてきた。
それよりも、勝手にこっちから電話を切ってしまった伊織が心配だ。
まだ不在着信がないのは察してくれているのか拗ねて寝てしまったのか、とにかく双子に気付かれることがなくて幸いだった。
物音を立てずにゆっくり階段の方へ振り向いた時、ドアの向こうから歩の声がする。
「…っあのさ、ちょっとぼく、ティッシュ取ってくるから!待ってて!」
「歩っ…」
は?ちょっと待てよ。
逃げ出す間もなくドアが開いて、歩が顔を出す。
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