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鉢合わせ
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◇ ◆ ◇
「一葉兄ちゃん!?」
ティッシュを取りにドアを開けたら、階段を降りようとしてる一葉兄ちゃんがいた。どうしてここに?
「は?カズ兄!?」
後ろから聞こえる駆の驚いた声。振り返り気まずそうな顔の一葉兄ちゃん。
駆の部屋の向かいは一葉兄ちゃんの部屋だけど、物置にしちゃったからもう来る用事はないはず……。
「あぁ、ちょっと声がしたから気になって見に来ただけだよ…お前ら、夜中に騒ぐなよ?」
「待って!」
逃げるように去ろうとした一葉兄ちゃんの腕を掴む。力の弱いぼくを振り解くのは簡単だけど、一葉兄ちゃんはそんなことしないで、ぼくの顔を見た。
駆と散々もめたり泣いたりしたせいで顔はぐちゃぐちゃだけど、そんなの今はかまっていられない。
「待って…一葉兄ちゃん、今の話、聞いてた?」
「歩!」
駆の怯えたような声が響く。
ごめん、駆。でもこのまま誤解でもされていたら、取り返しのつかないことになりそう。
「あー…歩が大声出したあとからの部分を、ほんの少し」
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