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自爆
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「……へ…?」
一葉兄ちゃんの呆気にとられた顔。
……駆の馬鹿…、よりによってそこで自滅するなんて…。
「…あ……ぅ」
駆の顔は真っ赤みたいだけど、ぼくの顔は真っ青です。
自分の失言に気を取られてぼくの腕に爪を立てなくなったのは嬉しいけど。
一葉兄ちゃんはただただ驚いた顔をしていたけど、どこか得心がいったような顔で気まずそうに頭を掻いた。
「あー…なるほど…な」
「え、どういうこと?」
「あぁ……いや、やっぱりそうか…と思って」
「へ?」
その言葉に駆がいくつもはてなを浮かべる。
ぼくと駆を交互にちらりと見て、なにか言いたそうに躊躇している一葉兄ちゃんを見て、なんとなく何かが引っかかる気がした。
「まぁ、見てればどことなく分かるから」
一葉兄ちゃんが、気まずい空気を和ませるみたいにぼくらの頭を撫でる。
「見てればって、俺そんなに分かりやすい?」
「お前ら双子はやることが分かりやすいとこだけはそっくりだからな」
その言葉に駆だけでなくぼくもちょっとグサッとくる。
駆がまた恨めしそうな顔でぼくのことを見る。
……分かりやすいかなぁ…少なくともぼくは全然気づかなかったんだけど。
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