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予期せぬ事態
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「あ? もっぺん言ってみろ」
まさに、死刑宣告。
大事に大事にしてきた幼なじみ・ミノリに――……
「だからー。僕、カノジョできたんだよね」
恋人が、できた。できてしまった。
「そうか。オンナか」
「うん」
「……え、いつ?」
「昨日」
マジか。昨日って言ったら俺は呑気にクラスのやつの家でゲームしてたが、そんなときになんだ、オマエは放課後ランデブーしていたわけか!?
けど待てよ。男子校だぞ。
他校との付き合いの多い俺ならともかく、引きこもりがちなオマエのどこにそんな出逢いがある?
部活もバイトもなにもやっていないだろ。
そもそもにオマエ。
……オンナに興味あったのか?
共学に通ってた頃、クラスのかわいいマドンナに告られて振って泣かせていたろ。
そんなオマエに彼女? は?
「どんな……やつ?」
「写真。見る?」
「おう」
「この子」
そう、これは、予期せぬ事態であるものの恐れていた事態でもあって。
他人に無関心で無気力でマイペースなコイツも、健全な男子高校生で。
なんだかんだ、欲は、あるわけで。
いつか起こりうる可能性は少なからずある、とは考えてきた。
こんな報告を受ける日が来るかもしれないと。
だけど、できれば、きてほしくなかった。
「……どっち?」
魂が抜けかけた心で問いかける。
動揺するな、俺。
せめてうちに帰るまでは涙もこらえろよ?
「右」
覗きこんだスマホ画面には、プリクラが映し出されている。
茶色いロングヘアの、小柄な色白女子。
パッチリとした目で細身だが。
…………かわいいじゃねーか。
クッソ妄想やバーチャル的な彼女かもしれないという可能性はなくなった。
マジか。
「あーあ。先越されちまった」
マジか。
「俺も。彼女欲しいな」
マジかあ……!!
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