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媚薬
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今日もこの日が来た。
真琴は週に一度の西園寺の招待を受け、重い足を再び高層ビルに向け、歩き出す。
いつもと変わらないエレベーターに乗り、いつもと変わらない体の震えを押し殺し、涙を堪えながら部屋へと入る。
「失礼します。妃です。」
「ああ。入りなさい。」
ガチャッ…バタン…
真琴が西園寺の目の前まで来ると、西園寺が真琴の頰をツーっと撫でる。
「はぁ…西園寺さん…」
カタン…
真琴はこれから行われる淫行を期待し、股の間を自身の細い足で擦り合わせた瞬間、西園寺は微笑み、席を立つ。
「え…」
「どうしたんだ。妃。こっちに来なさい。」
でも…そっちは来客用の応接間…
西園寺は隣の部屋に入り、ソファーに腰掛け、真琴に手招きする。
「来い。」
真琴はハッとし、西園寺の向かいのソファーに腰掛ける。2人の間には上等なアンティークのテーブルがあり、2人の距離を隔てる。
「さっき俺の名前を呼んだな。何か期待してたのか?」
真琴は自分の先程の期待から発せられた甘い吐息が、声となっていた事に初めて気がつき、一気に顔を赤くする。
「い、…いえ……その……」
「まあいいや。今日は妃とお話がしたいんだよ。今日はエッチも無し。いいよね?」
「は、はい。」
なんだ…良かった。
真琴が内心胸を撫で下ろし、息を深くつく。
そんな真琴を横目に、西園寺は紅茶を淹れる。
「期待していたところ悪いけどね?」
揶揄う様に言われ、真琴の顔が再び赤くなる。
「妃は本当に素直で可愛いね。」
ギシッ…
西園寺は真琴の目の前に紅茶を置くと、真琴の耳元に唇を寄せる。
「でも…どこまで素直になれるんだろうね。」
西園寺は真琴の耳元にフッと息を吹きかける。
「あっ…」
真琴は体をビクッと震わせる。
「ははは…声も一段と色艶を増していくね。ああ、飲みなさい。」
「ありがとうございます…」
真琴が目の前の紅茶を飲みきるまで、西園寺はずっと真琴の喉を見つめる。
「美味そうだな…」
その熱い眼差しが真琴を酷く興奮させる。
「ん…ンッ…」
ただ紅茶を飲むという行為が、長い沈黙の中で何故か厭らしく感じる。
まるで西園寺の前で自慰行為を見せつけている様な。
「妃は紅茶を飲んでる時にもそんな男を誘う様な声を出すの?そんなんで社会人が務まるのかな。」
ギシッ…
西園寺は、紅茶を飲みきった真琴の隣に腰掛ける。
「妃…キス。」
西園寺が一言命令するだけで真琴は犬になる。
「はい…ンッ」
真琴は西園寺に触れるだけの口付けをする。その瞬間西園寺が真琴の唇に無理矢理舌を差し込む。
「ンぐっ…ぅ…んんッ⁈」
西園寺は真琴の後頭部を支え、深く舌を口内に入れ込み、熱い舌と唾液を絡める。
クチュ…クチュン……
唾液が絡まる卑猥な音が部屋に響き渡る度に、真琴の脳内は、熱さを増していく体とは正反対に真っ白になっていく。
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