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ドM【百合園×美琴】
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西園寺は秘書に電話を掛ける。
プッという音と共に、秘書と電話が繋がる。
「…あ、おい。百合園。今日送った資料だが…」
『はぁ…はぁ、アッ❤︎…んっ…え?…なにぃ?』
「……。」
西園寺は電話を耳に当てたまま、酷く嫌そうな顔をする。真琴には絶対に見せることのない表情。
「お前……はぁー」
今度は誰とヤッてんだよ…
西園寺専属の秘書。百合園 尚也。仕事は出来るが、色々と緩いためフラフラと遊び歩く男だ。
そんな男がなぜ西園寺の秘書に選ばれたかというと——
「このクソチンカス野郎…役立たずの西園寺家の穀潰しが…」
西園寺浩介は人使いが荒く口が悪い。息をする様に人の首を切る。そんな事もあり普通の秘書では1週間と持たないのだ。
百合園は適任だった。
ちなみに真琴に近寄った男性社員が今日リストラされたのは、現在天使の表情で寝ている真琴は永遠に知る事はない。
そして西園寺も既に忘れている。
「今日中に目を通してレジュメと企画書作らないとお前のチンカス切り取るからなっ。」
『あっ❤︎…やめてよコースケっ…イきそうになった…はははぁ…』
今更だが、百合園はドMである。
西園寺はため息を吐き電話を切ろうとした。
『グスッ…ぅ…あ゛はぁっ…』
しかし、電話越しの声を聞き受話器を再び耳につけた。
百合園の声の奥に小さく苦しそうに悶える声が聞こえる。
この声…どこかで…
「…おい。お前が相手を泣かせるなんて…珍しいな。」
『えー?…勝手に泣いちゃったんだよぉ〜。ネコはじめてだぁもんねぇ〜?』
百合園の相手は終始嗚咽を繰り返して泣き噦る。
『って…聞こえてないか〜…はは。ちゅーっと…』
『ンッぐ、はぁっ…やめろッ…勝手にキスっ…すんなぁっ゛…』
うわ…こんな奴によく勃つな…
西園寺と百合園の相手の好みは合わない。
相手の声は既に掠れ、喘ぎと共に苦しそうに罵倒を繰り返している。どう考えても同意の性行為ではない。
西園寺は眉を顰めて息を呑んだ。
「おい。…お前…遂に犯罪に…」
『いやーだぁ…違う違うよぉ〜!!これはコースケの指示の成り行きというかぁ…』
「はぁ?…どういうこと————」
バチンッという音が西園寺の耳に入った。
百合園は…多分殴られた。少し百合園が喘いだからだ。
何が悲しくて野郎の喘ぎ声なんざ聞かなくちゃならないんだ……
西園寺は眉を潜める。
妃の声が恋しくなるな…最悪な気分だ。
西園寺が呆れて電話を切ろうとすると、百合園の相手の声がハッキリと耳に入る。
『っあっ///…っ…死ねッ…クソッ…このオッサンなんで萎えねぇんだよぉッ…ぅ…っくぅ…///』
プッと電話が切れた。
この声…あ…
西園寺の脳裏に、生意気な声で西園寺を『オッサン』と罵った声が浮かぶ。
西園寺は頭を抱え、ため息を吐く。
「…流石に悪いことしたな。…妃 美琴。」
西園寺は真琴を自宅に拉致する前に、百合園に美琴宛ての言伝をしたのを今思い出した。
——BARの帰り(遡ること6時間前)——
真琴を姫抱きする西園寺が、百合園にタクシーを顎で指して合図する。
『おい…百合園。…お前妃の自宅に行け。妃の弟がいる。……ソイツに現状を話して2度と妃に近づくなと言っとけ。俺は行く。』
百合園は面倒臭そうにタバコを吸う。そして西園寺に人蹴りを喰らってからタクシーのドアを開けた。
『…はいよぉ〜…ったく…俺もお楽しみしたかったのにぃ〜』
『あーはいはい。ソッチはソッチで楽しめー………』
西園寺は真琴の髪をかき分けながら、百合園にひらひらと手を振る。
「ふふ……妃は寝ていても可愛いな…いじめたくなる。」
真琴に夢中で百合園の存在を既に忘れている。百合園は生温かい視線を向ける。
可哀想に……真琴ちゃん。こんなのに好かれて……
百合園は西園寺達を見送ると、先程の黒いベンツに乗り真琴のアパートへ向かった。
『楽しむったってねー…ま、テキトーに済ませて帰るか。』
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