アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
11
-
精霊の姿を認知できるものは数が少なく、およそ百万人に一人と言われている。この世界全体の人口が現在約十二億人ほど。つまり、世界全体でもその存在は千二百人しかいない計算になる。
奇異な存在であるということから、人から羨まれたり、逆に敬遠されることもあるため、見えていてもそのことを隠して生活している者もいるらしい。実際、レオンも光が見えるという話をしたときは、大人たちに怪訝な顔をされたものだった。
見えても見えなくても精霊から力を借りられることに変わりはなく、本当にただ、見えるというだけなのだが。騎士となり力をつけた今では、「精霊の姿を見ることができる騎士団長」として、特殊な扱いを受けている。
レオンが先ほど、リンドールをすごいと称したのは、目に見える精霊の数が、今まで見てきた都市のどこよりも多いことだった。
精霊の森にほど近い街だということが影響しているのだろうか。普段祈りの言葉を捧げたときに借りられる精霊の力も、けた外れに大きい。
感心すると同時に、ある懸念がレオンの頭をかすめる。借りられる力が大きいということは、恩恵も大きい分、それを悪用しようとしたときの影響も大きいということだ。幸い、リンドールの民は穏やかな気質の者が多く、今のところそうした犯罪歴は見られない。
しかし、他の都市や街と異なり、特殊な性質をもった街であるということには違いない。リンドールの街に適した人の守り方を考える必要がありそうだと、レオンは宿に到着して眠るまでの時間、頭を悩ませ続けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 26