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翌朝から、レオンは警備隊の訓練指揮に加わり、昼過ぎまで体力テストや肉体トレーニングを行った。より実戦を想定した訓練に、日ごろからトレーニングを行なっている隊員たちでさえもついていくのがやっとの様子だ。
「より速く、より正確に動作を研ぎ澄ませるんだ!犯人と戦う体力があることは大前提だと心得ろ!」
体力テストでそれぞれのステータスを記録していき、レオンはいくつかのグループに分けて指導していく。
リンドール警備隊に所属する者は、比較的警備隊としての活動歴が長い者が多い。エタニア騎士団管轄のエリアの中でも、リンドールは特に平和な街で、ただ警備を続けていくにはかなり楽なエリアといってもいい。
逆に言えば、実際に問題に直面する機会が少なく、体力があってもそうした実戦的な動きは経験不足の者が多い。
レオンは緊急時に求められる動きや判断力を、実戦に近いロールプレイングを行なうなどで育成していくことにした。
そして昨晩考え抜いた、リンドールに適した人の守り方。まずは隊員たちが、精霊の力をどれほど使いこなせているかを確認する。すると、普段ほとんど精霊の力に頼らず、人力で警備を行なってきたことが災いし、日常生活での使い方以外は、力の加減をコントロールできる者が数名しかいないことが判明した。
基礎的な体力は、日ごろの訓練の成果でしっかりと身についている者が多い。まずは判断力や行動の素早さ、問題解決までの効率化などを中心に訓練し、それと並行して、精霊の力のコントロールと、どういった使い方をすれば実戦で役立つかを、この三か月間で隊員たちに考えさせてみることにした。
レオン達騎士団が担当する大部分のエリアは、リンドールよりも精霊の数が少なく、一度に借りられる力もさほど大きくない。
そうしたことも影響して、その力が犯罪や、逆に守る立場で利用されたことは、過去にもほとんど例がないのだ。そのため、レオン自身も精霊の力を使った警備については、手探りの状態だった。
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