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瓢箪から駒⑥
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俺は自分の気持ちを認めたくなくて、この日を境に秋月先輩を避けるようになった。
どんなに否定しても、心は秋月先輩に会いたくて…苦しくて辛くて…。
行き場の無い感情を持て余していた。
俺はそんな中、蒼ちゃんの家は俺が住むマンションの真向いなので、金曜日になるとベランダから蒼ちゃんの家に入る秋月先輩の姿を眺めるようになった。
一度、秋月先輩が視線を俺の家に向けてくれて、目が合った…ような気がした。
慌てて部屋に入りカーテンを閉めたけど、高鳴る胸の鼓動が認めたくない感情を認めろと言っているようで辛かった。
忘れようと必死になっているのに、何度か章三の部活が遅くなって秋月先輩が校門の前で待っていてくれていた事があった。
校門にもたれかかり、夕日に照らされた秋月先輩の横顔を見る度に胸が軋んだ。
(しかも、学校の女子は秋月先輩が来るとキャーキャー騒いでいたっけ…)
俺を見つけると、秋月先輩はいつも優しい笑顔を浮かべてくれて
「葵君、お疲れ様」
って言いながら、ふわりと頭を撫でてくれた。
俺の頭を撫でる手は蒼ちゃんとは違う男らしい手で、手の平は剣道の竹刀を握っているせいなのか、固くてゴツゴツしていた。
先輩の漆黒の瞳も優しい笑顔も、広い胸も大きな手も…全ては蒼ちゃんのモノだと分かっている。
分かっているのに、気持ちが溢れて止まらなくなる。泣きたくなる気持ちに蓋をして、俺はこの気持ちを決して口にしないと決めていた。
蒼ちゃんが選んだ人。
蒼ちゃんを選んだ人。
何で蒼ちゃんなんだろう?
綺麗で優しくて、俺の大好きで大切な人…なのに……。
秋月先輩への気持ちに気付いてから、蒼ちゃんへの気持ちも変化してしまった。
先輩と当たり前のように並んで歩く蒼ちゃんに、黒く醜い感情が渦巻き息が出来なくなる。
こんな想いをするなら、出会わなければ良かったのかな?
俺は自分の気持ちを認めたくなくて、この日を境に秋月先輩を避けるようになった。
どんなに否定しても、心は秋月先輩に会いたくて…苦しくて辛くて…。
行き場の無い感情を持て余していた。
俺はそんな中、蒼ちゃんの家は俺が住むマンションの真向いなので、金曜日になるとベランダから蒼ちゃんの家に入る秋月先輩の姿を眺めるようになった。
一度、秋月先輩が視線を俺の家に向けてくれて、目が合った…ような気がした。
慌てて部屋に入りカーテンを閉めたけど、高鳴る胸の鼓動が認めたくない感情を認めろと言っているようで辛かった。
忘れようと必死になっているのに、何度か章三の部活が遅くなって秋月先輩が校門の前で待っていてくれていた事があった。
校門にもたれかかり、夕日に照らされた秋月先輩の横顔を見る度に胸が軋んだ。
(しかも、学校の女子は秋月先輩が来るとキャーキャー騒いでいたっけ…)
俺を見つけると、秋月先輩はいつも優しい笑顔を浮かべてくれて
「葵君、お疲れ様」
って言いながら、ふわりと頭を撫でてくれた。
俺の頭を撫でる手は蒼ちゃんとは違う男らしい手で、手の平は剣道の竹刀を握っているせいなのか、固くてゴツゴツしていた。
先輩の漆黒の瞳も優しい笑顔も、広い胸も大きな手も…全ては蒼ちゃんのモノだと分かっている。
分かっているのに、気持ちが溢れて止まらなくなる。泣きたくなる気持ちに蓋をして、俺はこの気持ちを決して口にしないと決めていた。
蒼ちゃんが選んだ人。
蒼ちゃんを選んだ人。
何で蒼ちゃんなんだろう?
綺麗で優しくて、俺の大好きで大切な人…なのに……。
秋月先輩への気持ちに気付いてから、蒼ちゃんへの気持ちも変化してしまった。
先輩と当たり前のように並んで歩く蒼ちゃんに、黒く醜い感情が渦巻き息が出来なくなる。
こんな想いをするなら、出会わなければ良かったのかな?
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