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生々流転③
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時々、蒼ちゃんからあの香りを嗅いだ事がある。
普段、蒼ちゃんは香りを身に付けたりしないから、せいぜい香りがしてもシャンプーの香り位だった。
だけど、高校2年になった頃位だと思う。
時々、蒼ちゃんから大人びたコロンの香りがしていたのを思い出す。
(何で蒼ちゃん?)
首を傾げながらトイレから戻ると、食事会が何やら母さんの携帯で盛り上がっていた。
俺が疑問の視線を投げると
「蒼ちゃん4歳とあ~ちゃん2歳」
って言いながら、母さんが携帯の画像を秋月家の皆さんに見せていた。俺は嫌な予感がして、母さんの携帯を取り上げて画面に映し出されていた画像を見て愕然とした。
まだ何も分からない俺と蒼ちゃんを、母さんの趣味でフリフリのワンピースを着せていた頃の写真だった。
「~~~~~~~!!」
母さんは俺と蒼ちゃんの髪の毛を肩まで伸ばし、可愛らしい服を着せては秘密の撮影会をしていたと蒼ちゃんから聞いてはいた。
そして今、俺の手にある母さんの携帯の画像は、まさに白いフリフリのブラウスに、蒼ちゃんは水色のフワフワしたスカート。俺は薄い緑色のヒラヒラワンピースを着て写っている。
しかも、ハーフアップした髪の毛には大きなリボン…(涙)
「可愛いでしょう?」
満足気な母さんに
「母さん!消去してよ、恥ずかしい!!」
俺が消去ボタンを押すと、次々に新たなる写真が現れて来る。
「…母さん、こういう写真。何枚ある訳?」
顔を引き攣らせて聞くと
「え~?300枚は超えてるかな?」
って、笑顔で答えた。
「蒼ちゃんが嫌がるまで、毎日何着も着させて撮影会してたの~」
うふふって笑いながら母さんが話してる。
(蒼ちゃん…ごめん。今、巻き込み事故が起こってます。)
俺は心の中で、蒼ちゃんに両手を合わせて謝罪していた。
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