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ジングルベル
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食べ終わったケーキのお皿を片づけて、ソファに腰を下ろす。
お腹をさすっていると、隣に座ってきた兄ちゃんがおもむろに口を開いた。
「それにしても、聖夜だっていう割には、厳かな雰囲気はないな…この国には」
「だって、みんな聖夜にかこつけてはしゃぎたいだけだもん。しょうがないよ」
「歩も本当ははしゃぎたいんだろ?」
図星をつかれて思わず黙ってしまう。
はしゃぎたいです。はしゃぎたいというか、いけないことしたいんです。
自分で言うのも恥ずかしいようなことされたいって、思ってるんです。
だって今日はみんながそうする特別な日だもん。いいでしょう?
そう言い返したくなったけど、なんだか自分が子供みたいに思えて、何も言えなかった。
「そんなこと考えてるような子には、サンタもプレゼントはしないだろうな」
急に心を読んだようなことを言う兄ちゃんに、思わず声が裏返る。
「ぼ、ぼくそんな子供じゃないよ」
「まだ16だろ、子供子供」
そんな風に言って兄ちゃんは軽くぼくの頭をぽんぽんと叩いた。
…意地悪なんだから。
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