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恋人がサンタクロース?
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毎年、この日のための商品、イベント、歌、色んな物が生まれていく。
商業的にも大きなかき入れ時のひとつだから、町中に活気が溢れている。
でも、大昔はどうだったんだろう。
ずうっと昔のこの日、乙女に宿った神様の子が、小さな町の厩の中で生まれたという昔話を知っている人が、どれだけいるんだろう。街行く人たちは、ひょっとしたらそのことを知らない人の方が多いかもしれない。
きっとその日は、静かだけどとても厳かで、特別な日だったんだと思う。
「じゃあ、いつからカップルが公的にいちゃいちゃできる日になったの?」
「何も公的にそんな日が決まったわけじゃないさ。いつからか、購買意欲を掻き立てたい色んな商社が、そういう風に広告をたてたんだよ」
すると、聖者の誕生日は、いつしかメディアによって恋人たちの聖夜になった、ってこと?
なんだか、その聖者がかわいそうな気がしてきた。
ソファの上でひざを折って丸まると、二葉兄ちゃんが苦笑した。
「まぁ、敬虔な教徒だって、よそが楽しんでるところに目くじら立てるなんて人はいないよ。今となっては、個人の好きなように今日を楽しむのが普通だよ」
「ほんと?」
じゃあやっぱり、今日は特別に兄ちゃんにべたべたしてもいい、ってこと?
普段からでもべたべたしてるけど、もっともっと色んな事したい。
兄ちゃんに、とびっきりのプレゼントがしてあげたい。
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